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【U-NEXT生活】『バタリアン』――『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の恐ろしさに磨きをかけつつ、笑えて楽しいゾンビ映画の傑作!

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今週のお題「鍋」 

最近、寒いので鍋ばかり食べています。昨日は豚肉と白菜の鍋でした。鍋をつつきながら映画を観るのが大好きで、最近は映像系サブスクサービス『U-NEXT』で映画をよく観ているのですが、最近、最高に楽しめたのが『バタリアン』です。今回は、『バタリアン』の魅力について語りたいと思います。

 


 

バタリアン』とは

俺のような40代のおっさんなら一度は見たことがあるゾンビ映画です。

 

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これがですね、あらためて観ると最高に面白んですよ!まず安心していただきたいのは、ゾンビ映画なのですがグロいシーンはほとんど出てこないということ。なのに、すげえ怖いです。にも関わらず、大声で笑ってしまうほど面白いというエンターテイメントに特化したホラー映画なんですね。サイモン・ペッグニック・フロストが出ている『ショーン・オブ・ザ・デッド』が好きな人はきっと気に入っていただける作品ではないかと思います。

 

作品についてちょっと解説をさせていただきますと。ゾンビ映画の創造主といえるジョージ・E・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』という映画がまずあったんですね。これは、父の墓参りをしていた兄妹が、ヘンなおっさんに襲われるのですが。このおっさんは、なんと、墓から這い出してきた死体だったのです。兄を生きる屍(リビングデッド)に殺された妹は、郊外の大きな家に逃げ込むと、そこには同じくゾンビに襲われた人たちが隠れていました。事態の収拾を待とうとする人々でしたが、テレビの放送で、ゾンビに噛まれた者はゾンビになることが発覚。夜になるころには、家の周りにはゾンビの大群が攻めてきて、事態は絶望的な状況になってしまう…という物語でした。

 

本作の原題は『リターン・オブ・ザ・リビングデッド』であり、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編と思いきや、勝手作ってしまった続編みたいな作品です。作中では、「映画の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は実は本当の話で、正確に書きすぎて当局から圧力がかかったため、設定や顛末を大きく変えて作られた映画」と語られています。実際は、軍と密接な関係にある製薬会社が作った薬品によって起きた事故であり、そのときに生き返ってしまった死体は秘密裏に処理したはずだったが、軍の手違いによって、とある医療会社に運ばれ倉庫に10数年間眠っていた…という設定になっています。

 

このことからも分かる通り、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の人気に便乗したというより、きちんと敬意をもって接していることがうかがえます。邦題の『バタリアン』とは、軍隊、大群という意味で、爆発的に増えていくことで手が追えなくなるゾンビの恐怖ポイントにスポットを当てたタイトルです。俺はこれは実に作品の本質をついており絶妙なネーミングだと思っています。が、東宝東和が勝手作った作中に出てくるゾンビの名称「タールマン」「オバンバー」に関して、これをすごくいいアイデアと絶賛するメディアやブログがありますが、俺は本作の世界観を壊す愚行だと思っています。本作は、真面目にゾンビ映画を作ろうとしているわけで、たしかにコメディ要素はあるのですがそれはギャグとは違うので。『ターミネーター』の日本語字幕に「シュワちゃん」と出てきたら違和感があるじゃないですか。そういう類のものだと思っています。

 

すごく怖いんだけど笑える

本作は、解剖用の死体や骨格標本を扱う医療会社の倉庫から物語がはじまります。新入社員フレディに倉庫に封印しているゾンビのことを話す先輩社員フランク。実物を見たフレディは「このタンクは大丈夫かな?」と怖がると、フランクは「軍が作ったタンクだぞ。頑丈だから大丈夫さ!」とバンと叩いたら、その部分が壊れてブシューとゾンビガスが洩れて、フレディとフランクが思い切り吸い込んで昏倒する…わけですが、完全にコメディなんですよ。

 

そしてはじまるオープニング。

 

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このオープニングの曲がすごく良くて。このガスがダクトを通って、新鮮な解剖用の死体のある部屋に流れていく様子が描かれます。すると、その死体がガスにふれて細胞が活性化して、ビチッビチビチッと元気になっていくのです。活きがいいから(笑)。そんなことあるかーい!とツッコミを入れていい所です。

 

このあと、ガスにふれた犬の断面のはく製が「クーン、クーン」と鳴いたり、蝶の標本がいっせいにパタパタ動いたり、前述の動き出した解剖用の死体を始末しようとしたら、その死体は扉の前にいたフレディとフランクを無視してなぜか奥に隠れていた社長に一直線に向かって行ったり。こんなふうに笑えるシーンがたくさんあります。

 

その一方で恐ろしいのが、本作に出てくるゾンビは一般的なゾンビ作品のように頭を破壊しても倒せないということ。ビチビチ動く死体を切断して火葬するのですが、その煙が雨によって地面に流れると、墓の下に眠っていた死体が一斉に起き出すところでしょう。知性があるため、救急隊や警察の無線を使って「応援を頼む」と言って、何も知らない応援がやってきてどんどん犠牲者が増えていく。この手に負えられなさは、心底ゾッとします。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の怖さを受け継ぎつつも、それ以上のものを描こうとしている姿勢に個人的に好感が持てますね。

 

余談ですが、昔、『カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ』でやった「スイカ人間」は『バタリアン』のパロディだったりします。

 

バタリアン』の今

このような面白い傑作ホラーである『バタリアン』ですが、近年、レンタルビデオショップでも見かけなくなってきました。とても残念です。なので、『U-NEXT』で見かけたときは狂喜乱舞しましたね。『U-NEXT』は昔の映画もたくさん観れるサービスです。もちろん、すべての映画が集まっているわけではありませんが、31日間無料トライアルをやっていますので、一度、利用してみてはいかがでしょうか。自宅でレンタルビデオ屋に行ったワクワク感が味わえます。鍋をつつきながら観る映画はいいですよ。