ほぼ日刊レトロゲームレイダース

おすすめエンタメ情報&笑い話を発信





?



会社倒産の話。

f:id:retrogameraiders:20200326101042j:plain

兆候というものは、たしかにあるものなんですよね。

 

?

 

新型コロナウイルスの影響による業績悪化が街のいたる所で聞こえています。実際に客足が鈍ったことによって倒産に追い込まれている企業も出てきましたね。俺が創業メンバーとして名を連ねているスタートアップも、実は結構穏やかではない状況です。

 

倒産、それは社長が見た未来。僕が見た絶望。

 

世間を漂う空気感はあの東日本大震災の時を思わせますが、会社に漂っている空気感はかつて所属していた会社が倒産した直前のものに似ている気もする今日この頃。今回は、1人の会社倒産経験者として、会社が倒産する時、何が起きるのかについて語りたいと思います。何かの参考になれば幸いです。

 

会社が倒産する兆候の1つ、それは「給料支払の遅延」です。

 

文字で書くとそんなの誰にでも分かるだろ?思ってしまうのですが、現場では「金融機関側のトラブルによって給料日が少し遅れる」 というふうに伝えられるため、「まあ、そういうこともあるか」と思ってしまいますが、そんな金融機関は滅多にありませんので、大体会社側のウソです。

 

俺が所属していた中小企業の場合、いつも私服だった社長が急にスーツを来て外出することが多くなりました。たぶん、銀行に行っていたんでしょう。そして、割と真剣な顔をして、幹部たちに「ちょっといい?」と声をかけて、社長室でヒソヒソと話す機会が多くなったのを覚えています。

 

それに反比例して、社員が集まっての朝礼では、妙に高いテンションで「世間では景気が悪いと言われており、ウチも厳しくないわけではありませんが、これまでのお付き合いからいくつかの仕事にお声がけもいただいており…」とウチは大丈夫という趣旨のことを言い出しました。今から思い返すと、俺は社長が自分に言い聞かせていたのであって、状況は真逆で好ましくなかったのだろうと思います。

 

会社が倒産する兆候のもう1つ、それは「仕事がない」です。

 

仕事がなくて、いつもよりおしゃべり時間が長くても怒られない“天国のような時間”が数日、もしくは1~2週間つづきます。現場の人間は「たまにはこういうのもいいよね!」なんて楽観的に構えていたりするのですが、とても危険です。通常とても忙しかった現場が急に仕事がないということは、フツウにまわるために忙しくないといけなかったのにその分の稼ぎが発生しない=マイナス状態が続いているわけですから、経営としてはかなりよろしくない状況です。

 

俺が所属していた中小企業の場合、いつも私服だった社長が急に新調した他所行きのスーツを来て外出することが多くなりました。たぶん、新規の営業に行っていたんでしょう。いつもお取り引きのあるお客さんのところには私服で行ってましたので。フォーマルな格好で出向くのはそんなに親しくない相手と会う時と決まっています。

 

そして、同じくスーツ姿の幹部といっしょに出ていき、時間通りに帰ってこない。2時間遅れて帰ってきました。同僚の目撃情報によると、社長は幹部と真剣な顔持ちで近所の喫茶店にいたそうです。たぶん、収穫がなかったことの愚痴と、これからの対策練りと、気持ちの立て直しを図っていたと推測しています。

 

会社が倒産する兆候の最後1つ、それは「急にやさしくなる」です。

 

これまで、社員と一定の距離を置いていた社長が、急に社員に話しかけてくるようになりました。「最近、どうなの?」とか、「いつもがんばってくれているよねぇ」とか、話の入りかたが不自然だったりします。そして、仕事がない妙にヒマな時間に、生あたたかい笑みの社長と社員たちのぎこちなく、どうでもいい会話がくり広げられるのでした。

 

俺が所属していた中小企業の場合、いつも私服だった社長がある日から突然よれよれのスーツで会社にいることが多くなりました。ちょっと前まで頻繁に外出していたのに。しかも私服でもなく、新調したスーツでもなく、よれよれのスーツ。

 

今にして思うと、あれは「ある程度、結論が出た状態」の兆候だったのではと思います。倒産することは決まっていて、あとは、いつ発表するか、いつ決定打が来るか、その時を待っている状態で。社長としても一人では耐えられない心境だったと思うし、もうちょっとうがった味方をすれば、少し後にみんなから恨まれる発表をしなければならないわけだから、実害を最小限にとどめるために同情を得ようとした演出だったのかも。

 

業態や企業規模や社長の性格によって兆候のカタチは違うと思うのですが、いつもとちょっと違うぞ?と思ったら、その勘は当たっていることが多いと思いますので、ご注意ください。

 

ちなみに、

 

俺の知っている某乙女ゲームメーカーの社長は、普段から絶対に謝らない人だったのですが、倒産報告の時も「私は1ミリも悪くない!」と公言し、社員全員から顰蹙を買ったそうです。まあ、社長もいろいろですよね。

 



?