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「何者にもなれなかった」というオッサンの愚痴の攻撃力はあなどれないという話。

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オッサンが集まって酒を飲むと「俺は何者にもなれなかった…!」と泣き出すやつが1人は出てきて非常に面倒くさい。面倒くさいのですが、その気持ちも分からなくもないのです。

 

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居酒屋のテーブルに突っ伏して、「うおおっ」と男泣きする40代男性。俺はこのテーブルを囲むクラスタの一員であり、好奇の目にさらされている被害者である。しかし、友よ。お前は「何者にもなれなかった…!」と漏らしていたが、今、確実に、「この居酒屋で最も熱いハートを持った敗者」という何者かになってしまった…そんな飲み会にこの間参加してきました。

40代というのは哀しい。なぜか分からないけど哀しい。20代~30代の頃はありあふれていた体力が急に2割くらいになる。本当に無理がきかなくなる。性欲も落ちた。街中でスカートの丈の短い女子を見ても何も思わなくなった。長年14歳で止まっていた精神年齢が、突然、老年期に振り切れたかのように。肉も食えなくなった。ラーメンも受け付けなくなった。かつては“竜殺し”といわれた股間のリーサルウェポンも、旧劇場版エヴァンゲリオンAir」のシンジくんみたいに、ミサトさんに無理やり立たされようとしていてもプランプラン状態だ。

先日、歯が痛いので20年ぶりくらいに歯医者に行ったら「虫歯がすごい」と言われました。20年前は「まったく虫歯がない」と言われていたのに。結論、親知らずをズボリと抜きました。その後遺症か、なぜか足が腫れて歩けなくなり、風邪をひきました。

どこに明るい話題があるのでしょうか。どこにもありません。「40代を楽しんでいる」なんて記事が世の中にはあるけど、ああいう記事があること自体が「40代は楽しくない」という事実の証なのではないかと感じる今日この頃です。

10年前、30代の時は「まだまだやれる!」という未来が描けました。あれから10年。学んだことも経験したこともいろいろあります。しかし、今、ここに俺はいる。俺たちはいる。大宮の大衆居酒屋で飲んでいる。銀座や六本木で飲んでいる40代もいるのに、俺たちはあの頃の変わらず大宮からレベルアップできていないのです。

10年後、自分はまだやれるのだろうか?正直なところ、30代の時ほど自信はありません。人生をプラモデルに例えるなら、20代、30代は「作りかけ」なのでしょう。しかし、40代は「完成した」という意識があります。もちろん、ここから塗装したり、デカールをつけたりするのですが、大きく完成度が上がることは期待できません。なんとなくゴールが見えてしまっています。それが40代の哀しさであり、その思いを集約すると「何者にもなれなかった」というひと言になるのでしょう。

この日、俺たちは4人で飲みに来ました。開始30分、ハイペースで飲み続けた1人が泣き出しました。多くの視線にさらされて、残りの俺たちは居心地が悪く、すでに酒はまずくなっています。しかし、俺たち就職氷河期世代のいいところを1つ挙げるとすれば、それは苦難と向き合ってきたこと。苦しい中でも、粛々とやるべきことをやる。やるための経験を積まされてきました。そういう力は時代によって磨かれてきたように思います。

そしてこの記事は、特に何の笑えるオチもないまま終わるのでした。しかし、それではあまりにもアレなので、件の泣き出した友人が泣き出す前に語った面白エピソードをご紹介したいと思います。

 

「もう10年近く育てているサボテンに、最近、愚痴らしいことをずっと話しかけていたら、1ヵ月で枯れちまった」

 

 話しかければ、それはたいそう美しい花を咲かせるというサボテンですが、40代のオッサンの愚痴を聞かせ続けると枯れてしまうらしいです。言霊という概念がありますが、ネガティブな発言には相当な攻撃力があることを俺たちは忘れてはなりません。愚痴という危険なものを漏らしてはなりません。あと、おしっこも漏らしがちなので注意が必要です。俺たちはパラメーターの見えない人生というRPGを生きていて、いろいろ残量と残尿には気をつけなければならないのですから。チーン。

 



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