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【本のレビュー】『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』

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「フミコフミオファンブック【特盛】」といった内容でした(ほめ言葉)。

 

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はてなブログの超有名人フミコフミオ先生がKADAKAWAからエッセイを出したというので発売日に買って早速読んでみた感想をつづります。

 

自己紹介

自分は、フミコフミオ先生のブログをきちんと読むようになったのは、今から1年半くらい前からです。それまでお名前はいろいろなところで拝見していたのですが、『はてな』にいい印象がなくて近寄らなかったので(笑)。まあ、俺自身が激務の日々を送っていたこともあり、あまり新しいフィールドに足を踏み入れることはなかったこともあり、長く存在は知っていても、読んでいませんでした。

 

その後、『はてな』様と本業と関わる機会が少しあり、レトロゲームレイダーのほうで寄稿する機会があって。『はてな』様への印象も改善したことで、実験的に、はてなブログをスタートしてみようということになり。まあ、それがこのブログなんですけど。そんなわけで、『はてな』で過ごす中で、あらためてフミコ先生のブログを拝見し、その面白さに身を悶え、才能に嫉妬し、下半身事情に共感し、以来ブックマークをつけて、新しいエントリーが出るたびに拝読し、楽しんでいます。

 

なので、フミコフミオ先生のファンとしては、新参者であり、にわかの分類に入るかもしれません。

 

で、読んでみた感想

「あれ、思っていたのと違う」が最初の感想でした。

 

これは、俺がフミコフミオ先生のブログに書かれているような話がズラッと並んでいる本なのかなと思っていたからです。違和感の主犯は「1話が長い」。そう、フミコ先生のブログ1記事を1話分とイメージしていると、こちらの本の1話は「長い」と感じるかもしれません。

 

誤解のないように明記させていただくと、「長い=悪い」でも、「長い=つまらない」でもありません。超面白いのですが、ブログの記事に比べると長いのです。

 

フミコ先生のブログ記事って、身近で起きた1つの出来事をテーマに、すごくテンポ良く進んで、息継ぎのように「きっつー」が入り、後半は予期せぬ展開を見せながら、「そうきたか!」というオチに着地させる。名人芸のような筆運びが魅力だと俺は思っていて。短距離走みたいなイメージを持っていました。

 

ところが、今回のエッセイ本は、1話あたりがブログ記事の2~3倍の長さがあります。フミコ先生の言葉使いは相変わらずの鋭さでテンポもとてもいいのですが、ブログのイメージが強いので、冗長に感じてしまうんですね。実際、ブログ記事よりも話が寄り道することも多い。でも、情報の密度はブログと変わりません。つまり、何が言いたいかというと、1話の内容がマシマシなんてです(笑)。

 

いつもより、長くて、情報量が多い。

 

1話を読んだだけで、ラーメン二郎を食べた後のような、満腹感と多幸感が襲ってきて、いつものブログのように「続けて次の記事も読もう!」という気になりませんでした、俺の場合。1話だけでお腹がいっぱいで。

 

で、

 

いろいろな読み方を試してみたところ、1話読んではストップ。数時間経ってからまた1話を読む。という読書スタイルが、一番しっくり来たというか、『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』を、一番楽しんで味わい尽くせる、と感じた次第です。

 

今回、この本を読んで驚いたのは、「フミコ先生はこのような眺めのエッセイもなんなく書けるのか」ということ。

 

よくこれだけの文量を、ネタやテンポのクオリティを落とすことなく、書きあげられるものです。さっきも書きましたが、この本はブログに比べると1話が長いんですよ。長いんですけど、その内容はフミコフミオ文体そのままなんです。つまり、この本はフミコフミオ文体やフミコフミオ世界観を長時間味わっていられるアイテムということであり、ファンにはたまんねえ一冊なのは間違いありません。

 

でも、ファンではない人には、勧めにくい一面もあります。

 

それは、本を読む効能がはっきりしていないからです。Amazonの商品ページには「人生を楽しく生きる“ちょっとしたコツ”」と書かれていますが、ズドーンと、「こうすれば、人生を楽しく生きられるよ!」とは書いていないのです。でもそれは、たぶん、意図的なもので。フミコフミオ先生のキャラや作風は、そういうのじゃないんですよね。押しつけがましさがなく、もっと自然に「こうやって生きているよ。いろいろあるけどね。きっつー」と語りかけてくるのが、この本なんです。

 

でも俺は、サラリーマンとして生きていて、40代を迎えて、なんだか毎日いろいろなことに疲れて、それでもあと20年以上頑張らなきゃいけなくて、真面目に生きてきたがゆえに苦労を背負っていて、ガス抜きが必要な大人にこそ、この本をお勧めしたいです。フミコフミオ先生が日々置かれている状況、襲い掛かってくる災難、それに対する本音はきっと共感できるものだし、ときに向き合いつつ、ときに柳のように受け流す、その生き方から学べること、笑いで癒されることは多いです。

 

まるで、現代社会に生きる大人たちのための、週1回のイルカセラピー。胃に穴があく前に、吐き出すものを吐き出すためキッカケになる一冊ではないでしょうか。

 

 



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