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エロ本と、砂場と、秘密の暗号の話。

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海外では『ポケットモンスター』はポケットの中にいるモンスター=おち○ちんのことを指す意味もあるそうで、だから『POKEMON』と略しているようですね。男は皆、ポケットモンスターに人生を翻弄される生き物なのです。

 

 

 

 

「エロ本、探しに行こうぜ」
と誰かが言った。

 

時は、西暦1980年代後半。この頃の日本には、まだ買ったエロ本は草むらに捨てるという風習が残っており、日本中の草むらに野生のエロ本が隠れていました。小学生高学年になると、俺たちはエロに対する好奇心が膨らんでいき、いつしか、放課後に有志たちで野生のエロ本を集めに行く課外活動を行なうようになっていたのでした。

 

なぜ、この頃、エロ本は道端に捨てられていたのか。それは、エロ本自販機と無関係ではないと思われます。昭和の時代は、まだコンビニエンスストアが街にそんなになく、昼間に営業している本屋さんはどちらかといえば、文化・教育寄りの存在で、大っぴらにエロ本を売れる雰囲気ではありませんでした。入り口のそばに、主婦の友社の雑誌が置いてある感じでしたからね。で、その役割を担っていたのがエロ本自販機です。

 

エロ本自販機は、昼間は何が売っているのか垂れ幕が下がっていて見えないのですが、夜になると、その垂れ幕が上がって、ライトアップされて、エロ本が売られているのが見えてくるというユニークな仕掛けなんですね。この手の自販機は、街中にはなく、ちょっと離れたロードサイドなんかに設置されていました。ちなみに、どうでもいい知識ですが、本だけだと売上単価が上がらないので、ジョークグッズとしてアダルトトイを売ろうと思いついたのが、当時自販機設置などを行なっていた株式会社トイズハートさんです。すげえ売れることが分かってから、トイズハートさんはアダルトトイグッズ制作方面に経営の舵をきっていくことになります。

 

話を戻しますね。

 

で、小学生の俺たちでも学校周辺をちょっと回れば、数冊程度のエロ本を手に入れることができました。その内容は、今のエ○本、エ○ビデオに比べれば、モデルも若くはないし、スタイルもあまり良くなかったのですが、女体の神秘にふれる貴重な機会だったため、俺たちはありがたがっていた気がします。

 

集めてきたエロ本は、公園の端っこのベンチで鑑賞会が行われていました。しかし、問題が1つ。エロ本の保存場所です。まさか、家に持って帰るわけにはいきませんからね。小学生の俺たちは、無い知恵を絞って考えた結果、砂場に埋めることにしました。「ここならば、誰にも見つからない。くっくっく…」。作戦は完璧なはずでした。

 

翌日。

 

俺たちは講演の砂場に行って、エロ本を掘り起こしました。しかし、「ない!エロ本がない!」。埋めたはずのエロ本が見つからないのです。「埋めた場所を間違えてしまったのかもしれない…」。俺たちは気を取り直して、再びエロ本ゲットだぜの旅に出て、またまた数冊のエロ本を入手しました。そして、鑑賞会のあと、砂場に埋めることにしたのです。

 

「待て!今度は埋めた場所を間違えないように、きちんと印を残しておこう!」

 

少年たちの中で一番頭が切れる男であった俺は、砂場のそばにあるすべり台とベンチに注目して、「砂場の横にあるすべり台から東に20歩、砂場の近くにあるベンチから北に35歩」の場所にある砂場に、エロ本を埋めることにしました。そして、座標を記す暗号として、「す東20、ベ北35」の文字を、木製ベンチの裏側に尖った石で刻み込み、「これで、もう、エロ本に迷うことはない」となったのでした。

 

ところが、

 

その翌日。砂場を掘り返した俺たちは愕然としました。

 

「ないっ!俺たちのエロ本がないぞっ!」

 

そうです。エロ本は再び姿を消してしまっていたのでした。見る気満々だったポケットモンスターも起こっています。作戦は完璧だった。にも関わらず、エロ本は姿を消した。埋めた場所を間違えたという可能性はない。だとすると、考えられることはただ1つ。

 

俺たちの中に、裏切り者がいる…!

 

そいつが、俺たちが集めたエロ本を後で一人で掘り返して、独り占めしているのだ。そうだ。そうにちがいない。疑心暗鬼。お前か。それともお前か。自分以外のすべての人間が犯人に見えます。人間のコミュニティは信頼関係で成り立っています。そして、その信頼関係が破綻したとき、コミュニティは崩壊するのです。その原理原則に則るかのように、俺たちのエロ本探索隊もつるむことがなくなりました。

 

今でも『ベラべっぴん』という雑誌名を聞くと、
あの夏の日のことを思い出す。

 

やがてエロ本探索隊の面々とは会わなくなった。
学校で顔を会わすだけの付き合いに。
よくある事だ。
友だちはでき、また離れていく。

 

探検隊の1人は、高校のあと結婚し、
今では4人の子持ちで、農協で働いてるそうだ。

 

探検隊の1人は、面接で「本物の銃を撃ってみたい」と毎回答え、
夢だった自衛隊に入れず、今は派遣で働いてる。

 

探検隊の1人は町を出た。
俺と共に進学校に進み、彼らしく、とても努力した。
そして大学へ行き、父親が経営している会社を継いだ。
幸せそうな家庭を築いていたが、
年下の女性社員との浮気がばれて離婚したという。

みんなとは、20年以上会っていなかった。
だが永遠に忘れはしまい。
あの10代の時のようなエロ本集めに熱中した友だちはもうできない。
もう二度と。
俺のポケットモンスターもかつてほどスタンドしない。