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【映画レビュー】『真夏の方程式』――凡人たちの人生をかけたトリックに、ガリレオ敗北す。

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今週のお題「海」 

海のない埼玉県に住む俺は、夏になると海が出てくる映画を観たくなるのです。そんな映画の1つが、ガリレオシリーズの映画第二弾『真夏の方程式』だったりします。これ、天才vs天才という前作『容疑者Xの献身』に比べると、いまいちパンチが弱い作品に思えるかもしれませんが、天才・湯川学が凡人に敗れてしまう(ともいえる)物語なのです。

 

 

 

真夏の方程式』とは、こんな話

夏休みのある日、1人で親戚が経営する海沿いの街の旅館で過ごすことになった小学5年生の少年・恭平は、その玻璃ヶ浦へ向かう電車の中で奇妙な男、湯川(福山雅治)に出会う。湯川は、玻璃ヶ浦の海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして出席するために、東京からやってきたのだった。

 

本来子ども嫌いな湯川だったが、恭平の知的好奇心旺盛さに興味を持ち、気まぐれから恭平の親戚が営む旅館に宿泊することになる。しかし、奇しくもその旅館を営む夫婦の娘は、玻璃ヶ浦の海底鉱物資源開発反対派の川畑成実(杏)だった。

 

玻璃ヶ浦の海底は美しいという。しかし、恭平は泳げない。そのことを嘆く恭平に湯川は言う。「だったら、見れる方法を考えればいい」。湯川の提案はこうだった。ペットボトルの中にカメラを作動させたスマートフォンを入れて、そのペットボトルを水圧で飛ばし、海に着水させる。スマートフォンのカメラから送られてくる映像を浜辺のノートPCで見るというもの。

 

しかし、絶景ポイントに着水させるには、ペットボトルの形状や水圧、発射角度など、さまざまな検証が必要だった。何度も失敗しながらも、都度データを取り、改良を重ねていく湯川。いつしか恭平は湯川のことを慕って「ハカセ」と呼んでいた。なんども考えて、真実へと近づけていく。その微笑ましい2人のやり取りは、ラストで残酷に真実と直面する恭平の魂を救う伏線になっている。

 

そんな中、2人が泊っている旅館に宿泊していた客の1人が不審な死を遂げる。酔っ払っての落下事故と思われたが、被害者は元警視庁捜査一課所属の刑事。この事件をキッカケに、16年前に東京で起きたホステス殺人事件との関係が明らかになっていき、1人の人生を守るために、自分の人生をかけた者たちの存在が明らかになっていく。

 

すべてが終わった夏のおわり。恭平は湯川と別れることになる。この夏の出来事によって、恭平は人の生きかたというものを知り、少しだけ大人になるのだった。

 

ガリレオシリーズの異端作

本作は、子ども嫌いの湯川が恭平に積極的に関わっていったり、草薙よりも先に事件に遭遇し、自ら積極的に事件解決に動き出すなど、湯川学がいつもと違うのです。なぜか。それは作品内では描かれていないのですが、事件の真相をなんとなく感じており、ともすれば恭平に一生のキズを残すかもしれない出来事を、一番いいカタチで恭平に教えるためだったのかもしれません。

 

杏のビキニ姿が美しく、全体の構成もいい感じの映画版がオススメですが、湯川と恭平の交流がより描かれている小説版もオススメです。ゲームで例えると、『ぼくのなつやすみ』みたいなガリレオシリーズ。ぜひ、夏のうちに鑑賞していただきたい作品です。