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【映画の感想】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、歴代最高のスパイダーマンだと思いました!って話。

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実は、前作スパイダーマン:ホームカミングについては、そんなに面白いとは思わなかったんですよ。でも、今回のスパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、すごく良かった!でも、「いい!」と思う人と、「そこまで良くない」と思う人がいる映画でもあると思うので、この理由と、こうすれば楽しめるという方法を書きたいと思います。

 

 

 

単体映画として観ると魅力半減かも

これは、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の他の作品にも言えることですが、連続作品の1つとして作られているため、「作品単体では情報不足」という問題があります。もちろん、MCU他作品を観ないと楽しめない・話が分からないわけではなく、不足している情報は「人物描写」です。

 

これによって、前作『ホームカミング』、今作『ファー・フロム・ホーム』に共通しているのは、サム・ライミ監督版『スパイダーマン』三部作、マーク・ウェブ監督版『アメイジングスパイダーマン』二作に比べると、スパイダーマンことピーター・パーカーの愚かさ(若さゆえの過ち)が目立ってしまいます。これは事実です。

 

サム・ライミ監督版『スパイダーマン』三部作は傑作です。マーク・ウェブ監督版『アメイジングスパイダーマン』も俺は大好きです。しかし、この作品群は、マーベルコミックにおける『スパイダーマン』の一番重要な部分が描かれていません。そういう意味では、惜しい作品だった、といえなくもない。それでは、『スパイダーマン』の一番重要な部分とは何なのか。それは、マーベルコミックにおいて、『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』によって構築されたスーパーヒーロー作品という潮流に、新しい風を送り込む存在として、「まだ完成されていない、成長途中のティーンエイジャーのスーパーヒーロー」という点です。

 

大人の都合によって作品の版権がソニー・ピクチャーズに渡っていたうんぬんということでMCUへの参加が遅れたスパイダーマン。しかしそれは、逆に、マーベルコミックにおける『スパイダーマン』の立ち位置をMCUに取り入れるというカタチになり、アイアンマン、キャプテン・アメリカ不在の今、次世代のヒーローというポジションという描かれ方をしていて、この展開だけで熱いのですよ!

※管理人の知識はマーベル展の受け売りです。

 

まずは、この背景を把握することが大事。そして本作は、MCUフェイズ3最後の作品として、「今後、MCUがどういう展開を迎えるのか」が明示された作品でもありました。ここも熱い。どういう展開かは、この記事の最後に語ります。

 

未完成のヒーローとしての魅力

前作『ホームカミング』も、今作『ファー・フロム・ホーム』も、共通しているのは、若いピーター・パーカーがヒーローらしからぬ等身大のティーンエイジャーとしての悩みとスーパーヒーローとしての役割を同等の問題として扱って、悩み、失敗し、学習して、成長していく物語という点です。

 

完璧なヒーロー像を、トム・ホランドスパイダーマンに求めると、物足りなさと苛立ちを感じるでしょう。しかし、あえて言わせていただくと、それは作品の見方が間違っています。MCU版のスパイダーマンは未完成であり、成長途中。失敗から学び、ひと回り成長していくピーター・パーカーの映画なのです。

 

前作『ホームカミング』は、後半の展開が熱かった。トニー・スタークから「スーツに頼っているような奴に、スーツを着る資格はない」とスーツを没収され、スーパーヒーローとして生きる道を諦める。フツウの高校生と生きようとする。しかし、ホームカミングパーティに憧れの上級生を誘って向かう途中で、敵であるヴァルチャーの正体と企みを知ったピーターは、フツウの高校生としての幸せを捨て、「正しいことをしたい」という思いのまま、スパイダースーツなしでヴァルチャーとの決戦にのぞみ、ヒーローとは何かを学びます。

 

今作『ファー・フロム・ホーム』も、後半の展開が熱かった。若さゆえの過ちとして、とんでもない失敗をしただけでなく、敵によってボロボロにされたピーターは、そこから這い上がり、ハッピーの助言を受けて、アイアンマンの後継者とか小難しいことは抜きにしてヒーローとしてやらなければならないことを自覚します。視覚による混乱を誘うという強敵に対して、スパイダーマンの特殊能力“スパイダーセンス”をついに覚醒させて乗り越えていく決戦シーンは興奮を隠し切れません。

 

心配していた夏休み旅行は、思いのほか楽しかった

今回、ピーターはクラスメイトたちと、ヨーロッパへの夏休み旅行に出かけます。このシチュエーションに映画鑑賞前はまったくそそられなかったのですが、好きな子の席の近くに座りたい、いっしょに観光地を回りたいとずっと思っていたり、なかなか行動に踏み出せなかったり、ライバルの動向にヤキモキしたり、そういうシチュエーションは「わかるー!」という感じで楽しかったです。

 

一方で、みんなの集団からフッと消えて、ニック・フューリーの指示のもと、ベックとともにエレメンタルズと戦わなければならない二重生活を強いられるピーターの活躍。ずっとピーターのことを見ていたから、MJがピーターがスパイダーマンであることに気がつく…といった展開も、おじさんキュンキュンしました(きもい)。

 

本作で迎える、新たなる幕開け

今作『ファー・フロム・ホーム』は、アイアンマンことトニー・スターク亡きあとの「王座」に誰が座るかという戦いでもありました。ピーターにとってはスーパーヒーローたちを導くリーダーのポジションとして、敵にとっては数々の軍事兵器を操ることができる力の象徴として。2人の思惑はまったく異なっていましたが、結果としては、アイアンマンの跡を誰が継ぐかという後継者戦争だったのは面白いですね。

 

そして、何よりもうれしいのは、『スパイダーマン』ではお馴染みのデイリー・ビューグル紙MCUに登場したこと。そして相変わらず、「スパイダーマンこそが悪」という論説を展開し始めること。サム・ライミ監督版『スパイダーマン』で展開されていたスパイダーマンらしさがようやく戻ってきました。

 

しかも、デイリー・ビューグル紙によって明かされてしまうスパイダーマンに関する重要な情報は、次なる展開を予感させます。前作『ホームカミング』のラスト、刑務所の中でヴァルチャーはスパイダーマンに恨みを持っている者たちがいることを聞いています。その者たちに報復のチャンスが与えられたのです。つまり、それは、原作にも登場したスパイダーマンを倒すために結成されるヴィランチームシニスターシックス」の今後の登場を予感させるものであり、これは映画『アメイジングスパイダーマン』で没になった展開でもあるわけで、俺は嬉しいのです(感涙)。

 

マーベル・シネマティック・ユニバースは、今後、スパイダーマンを中心に展開されていくようです。シニスターシックスの登場は間違いないと思われ、6人のヴィランの話を映画1本で語り切れないため、おそらく連作になると俺は予想。となると、スパイダーマン単体映画ではなく、MCUの中に取り込まれて、スパイダーマンVSシニスターシックスの戦いの中に、他のマーベルヒーローが関わっていくカタチになるのでは?と予想しています。

 

ここまで読んで「面白そう!」と感じてくれた方は、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を楽しめると思います。

 

今作は、中盤でハッピー・ホーガンがピーターに向かってトニー・スタークのことを語るシーンが熱いです。ハッピーを演じるジョン・ファブローは初代『アイアンマン』の監督であり、制作スタジオにトニー・スターク役にロバート・ダウニーJrを推した人でもあるわけで。彼の口からトニーについて語られるだけで12年にわたってMCUを追いかけている人間は号泣必死。劇場にハンカチかタオルを持って行ってください。

 

このような理由から、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、歴代最高のスパイダーマンだと思いました。想像していた以上に面白い映画でしたよ。