ほぼ日刊レトロゲームレイダース

おすすめエンタメ情報&笑い話を発信





?



Hagexを偲ぶ会のモヤモヤを晴らしてくれたのは、おおつねまさふみさんでしたって話。

f:id:retrogameraiders:20190624200806j:plain

先日、阿佐ヶ谷ロフトAで開催された『Hagexを偲ぶ会』に参加してきました。これはその感想です。

 

 

 

あれから1年が経ちました

2018年6月24日、福岡県福岡市中央区大名の官民協働型施設にて、人気ブロガー“Hagex”さんこと岡本顕一郎さんが、はてなダイアリーで有名人だった“低能先生”こと松本英光容疑者に刺殺されるという事件が起きました。本当に痛ましい事件であり、ネットでのトラブルがリアル世界での殺人事件につながるという痛ましい事例を作ってしまったともいえるでしょう。

 

もっというならば、“Hagex”さんと“低能先生”はネット上でトラブルが起きていたとも言えず、松本英光容疑者の自分の八方塞がりな人生のウサ晴らしに岡本顕一郎さんが巻き込まれたという悲劇です。

 

今回の「Hagexを偲ぶ会」は、事件から1年、生前のHagexさんと親交のあった阿佐ヶ谷ロフトAの店長さんの声がけから企画が動いたものだとか。アルファブロガーとして、ネット上で大きな存在感を放っていたHagexさんが遺したものだけでなく、編集者として、1人の社会人として岡本顕一郎さんが成してきたことを、今一度、皆で振り返ろうという会でした。

 

会は二部構成で、一部は「ネット上でのHagexさん」、二部は「リアル社会での岡本顕一郎さん」の成してきたことを紹介する…という内容です。

 

で、感想

すごく、"内輪"臭の強いイベントでした。ネット上の活動で親交のあった人、リアルで親交のあった人向けの会という印象で、Hagexさんファンだった自分としては、弱冠の居心地の悪さがあったことは否めません。

 

あの手の会って、最前列のほうに陣取って、登壇している人たちと「俺は仲がいいんだぞ」というコミュニケーションをしてくる人がいるじゃないですか。常連客しかいない飲み屋に常駐している人みたいな。ああいう人たちが盛り上がっている、そういう会です。後ろのほうも同窓会みたいなノリで、司会者が話しているのを無視して、自分たちの話したいことだけ話しているみたいな。イベントとしては、企画よりは良かったものの、参加者マナーの悪さが目立った印象です。

 

ただ、イベントの主題が「Hagexを偲ぶ会」であり、イベント参加者はノーギャラであり、売上金はすべてご遺族に送られるということ。参加された方たちがそれぞれの思いで、Hagexさんを偲んでいた思うので、あれはあれでアリなのでしょう。俺も5000円分くらいいろいろ注文して売上に貢献してきました。

 

とはいえ、モヤモヤする会

何がモヤモヤしていたのかというと、これは完全に個人的な感想なんですけど。中川淳一郎さんがベロンベロンに酔っ払いながら、「Hagexは最後の砦だった!」「Hagexは逸材だった!」と話されていても、イマイチ、納得感がなかったんですね。いや、それは事実だと思うのですが、個人的に腑に落ちないというか。

 

その理由は、俺自身が「ネットウォッチャーって、そもそも必要なの?」という思いがあるからだと思いました。それに対して、登壇されている方たちは「ネットウォッチャーは必要に決まっているだろ」というのが前提にあり、「ネットウォッチャーとしてHagexはすごかった」という話をされている。このすれ違いによるものだと思います。

 

そんな中で、第一部の最後に、壇上に呼ばれたネットウォッチャー四天王の1人、おおつねまさふみさんの言葉が、自分としては「ああ、その通りだな」とスッと腹落ちしました。言われていたのは、次のようなこと。

 

「人を刺殺することは法治国家において許されることじゃないし、そこにおいては実行犯が100%悪い。でも、日本としては死者のことを悪く言わない・言えないという文化があるけど、被害者のやってきたことをなんでも美談にする傾向があるけど、それは間違っている。たしかに、Hagexさんは彼独自の正義感に基づいて情報発信してきた記事もあるけど、そうじゃない、"アイツ最近イキってるな、叩いておこう"みたいに書いていた記事もあると思う。もちろん、彼は表立ってそういう書き方はしないけれども、ネットウォッチって、そういう側面もある。そもそもネットウォッチというものは社会正義によるものとは言いがたく、ゲスな行為でもある。Hagexさんは、いいこともやっていたけど、ゲスなこともやっていた。それが事実だと思う。なんでもかんでも美談にしてしまうのはおかしい」

 

このような趣旨のことをおっしゃっていました。

 

イベント会場に漂っていた雰囲気の中では、異質なメッセージだったかもしれませんが、俺にとって、イベント当日、一番スッキリしたメッセージは、このおおつねまさふみさんの発言だったと思いました。

 

Hagexさん、ご冥福をお祈り申し上げます

Hagexさんは100%被害者です。狂人の間違った自己正当性の主張のために、犠牲になってしまった人だと思います。この記事の内容は、ともすれば、死者であるHagexさん批判に捉えられてしまうかもしれませんが、その意志はありません。

 

ただ、「坊主憎けりゃ袈裟まで」という言葉があるように、「ムカつく人の言うこと・やることはすべてダメ」という発想は究極のアホであり、その対極にある「亡くなった人のやったことはすべて美談」というのも至高のバカだと思う俺がいて。レトロゲーム界隈では、大塚ギチさんを神のように尊ぶ傾向がありますが、ギチさんだって良いところもあるし、悪いところもある。

 

死者のことを悪く言う必要はないけど、必要以上に良く言う必要もないわけで。正当な評価・感想というのは、「誰に対してどうか」ではなく、「何に対してどうか」で語られるべきだなぁと、このイベントに参加してあらためて思いました。

 

俺は、Hagexさんのブログのファンだったし、記事の着眼点やネタのチョイス、きちんと裏付けを取ってから記事にするといった姿勢をとても尊敬していました。その一方で、一部の人に粘着して、揚げ足を取るといわれても仕方がないような記事を、「バランス感覚が素晴らしい」と絶賛する気にはなれない一面もありますが、ゲスな記事は嫌いじゃありませんでした。

 

こんな中途半端な自分ですが、Hagexさんのブログが更新されない日々は寂しいし、その理由をとても悲しく思っています。あらためて、ご冥福をお祈り申し上げます。