今回の記事は読んでいただくと、「出た!おっさんの僻み!」と言われてしまいそうな内容です。若者に対する僻みがまったくないとは言いませんが、もう少し大局的な視点で、「こういうサービス提供はいけませんよ」という意見発信のつもりで書きました。
先日、こんな感じのスカウトメールが届きました
「再三のメールで失礼いたします。●●●●●の採用担当です。
あなたがサイトに登録している●●●の経験に興味を持ち、
本日は当社の求人にぜひご応募いただきたいと思い、メールさせて頂きました。
今回のメールはWEB履歴書を拝見し、
当社でご活躍頂きたい方と考えている方のみにお送りしております。
~ 仕事内容の紹介部分 中略 ~
いかがでしょうか。
今回のご紹介で、少しでもご興味をいただけましたら、
ぜひ応募をご検討ください。
あなたにお会いできるのを心よりお待ちしております。」
何度かスカウトメールをいただいていたのは知っていましたが、職歴などを考えるとダメだろうなぁと思い、応募を自粛していました。しかし、このようなメールをいただきましたので、「ものは試し」と応募してみたわけです。
そしたら、こんな感じの返信が来ました
「この度は、ご応募いただき、まことにありがとうございます。
●●様のWeb履歴書を拝見させていただき、社内で協議した結果、
今回の選考は、見送りとさせていただくことになりました。
またの機会がございましたらよろしくお願いいたします。」
「当社でご活躍頂きたい方と考えている方のみにお送りして」たんと違うのかーい!と思わずメール画面に叫んじゃいましたよ。
40代の転職は、このような場面によく遭遇します。赤の他人が見ても「ぐぬぬ…」と感じると思いますが、本人の場合、魂が大きく削られます。ちなみに、これ1通だけじゃないですからね。こういうのがバンバン来ますから。
いや、分かるのだが…
最初に来たスカウトメールの文面をよく読んでみると、どこにも面接確約なんて書いていません。「当社でご活躍頂きたい方と考えている方のみにお送り」というのも、ウソではないのでしょう。ただ、「応募していただいた後に、再度書類選考をさせていただきます」という情報を書いていないだけ。
そして湧き起こる既視感。
あれ、なんだろう、これ。どこかで似たようなことが…。
ああ、思い出した。
これは、パパ活女子とのデート前メールによく似ているのだ。
焼肉デートの段取りをメールで取り交わしていく中で、「最近、かわいい下着のセットを買ったんだ。当日はそれを身に着けていくからね☆」的なことを書いておき、読み手は「脱ぐというシチュエーションも織り込み済みか!」と期待させておきながら、当日は鉄壁の防御力を発揮されて、「メールで書いたのは、洋服の下にきれいな下着を身に着けている私を応援してほしい、という意味で書いた」とか言い出すアレである。
ちくしょう、俺の心を弄びやがって!(※スカウトメールに対する怒り)
あんまり、いいアプローチではないと思う
40代の転職では、こういうスカウトメール&お断りメールがセットでよく届きます。どうしてこういうことが起きるのか、内部事情を俺は知っているんですよ。
転職サイトでは、自然応募が集まらなくなっているからです。
現在業界トップで応募数が集まるリクナビNEXTですら、その傾向に歯止めが止まらない。その大きな理由が、ユーザーが転職サイトを回遊しないことにあるんですね。もうユーザーはポータルサイトをいろいろ回って仕事を探さないんですよ。だから、「こういう仕事がある」と教えるメルマガやスカウトメールが溢れかえるわけです。
配信対象の設定も、できるだけ多くの人たちに届くようにと、以前は「年齢35歳までの設定」だったのが、40歳以上でも経歴次第では会う、という企業人事側の思惑もあって、今回のような悲劇がくり返されるわけです。でも、20~30代には企業は会いたいと思っているので書類選考通過率が高いんですよぅ。
スカウトメールって、ユーザーの立場からすると「貰ってうれしいもの」なんです。特に、自分に自信をなくしつつあるおっさんには、ね。でも、その期待に対してこの仕打ちって、結構キツイと俺は思っています。スカウトメールというアイテムの信用に関わる問題であるとも。
おっさんがスカウトメールで傷つくのは、企業の人事が上から卸されている採用目標を達成するために乱用しているからなんですよ。こういう意見発信は、書類選考を通らない中年の僻みにしか思われないかもしれません。でも、俺の本音としては、不必要に期待して傷つきたくない。だから、こういうスカウトメールが来る転職サイト、サービスは使いたくないと思っています。
ちなみに、いろいろ検討した結果、きちんと「スカウトメールを送った理由」「書類通過しない理由」を文面で伝えてくれるdodaは、転職サイト&エージェントサービスとして良心があるほうだと思う、今日この頃です。