また、手をかけてきた後輩が退職をする。
私の目の届かないところに配属になると、すぐにこれです。ウチの会社の一部部署の「人を育てられない問題」はかなり深刻と個人的に思っているのですが、危機感を抱いているほうが異分子扱い。「そんな状態で大丈夫なのか?」と旧組織を心配する一方で、大切な後輩をまた使い捨てられて、私はイライラしている今日この頃です。
先日、1年くらい前に同じチームだった新人の女の子。先日、体調を崩して退職する旨を私に伝えにきました。前職は某コンビニエンスストアの店長で、1日23時間勤務もこなしていた豪傑が倒れるとは…。一体どんなブラック企業やねん。ところが、くわしく話を聞いてみると、問題は上司でした。
リーダー論に関して、以前、このブログで私はこうあるべきという持論を発表していますが。「リーダーはメンバーの味方でなければならない」と、私は思っています。正直、出来が悪いメンバーもいるし、手間をかけさせられる奴もいる。そのケツを拭くのがリーダーの役割です。
リーダーはメンバーを信じてあげなければ誰が信じてあげられるのでしょう。これは徹底的にやるべきで、中途半端はダメ。そうでなければ、リーダーとメンバーの間に信頼関係なんて生まれないし、信頼関係がない状態で何を言っても心に響かないと、心に響かなければ行動まで変わらないと、私は考えているからです。
ウチの場合、「もっとビジネスライクな付き合いかたがリーダーのあるべきスタイルだ」と思われています。
ビジネスライクな部下との付き合いかたとやらを実践した結果、交流会をしようと部門内バーベキューを開催した時に、ほとんどメンバークラスが参加せず、リーダーだけが集まったむさいオッサンだらけの、あの史上最低のバーベキューの悲劇を、私は一生忘れないでしょう。
まあ、私はその後、所属部門が変わったのですけどね。
新人ちゃんの話によると、その子はかなりタフでがんばる系女子なのですが、やはり直前の上司とはやっていけないと涙を流して、カルビを頬張りながら、訴えていました。その上司のやっていたことは、
・メンバーの夢を鼻で笑う
・メンバーにレッテルをはって情報を更新しない
・メンバーの悪口をよそで言う
・メンバーの言うことを信じない
・メンバーのことを目にかけていない
ひどいもんです。
おそらく本人は無自覚でやっており、文章で指摘されたら問題点に気が付くと思うのですが、常習的にこういうことが行なわれていたのは事実であり、どう考えてもこれじゃ下は頑張れないと思うわけですが、みなさんはどう思いますか。
メンバーのメンタル不調なんて、メンバーのことをよく見ていたらリーダーは気が付くはずなんですよ。それが分からないなんて、私には理解できません。
仕事なんてものは苦しいもので。でもその苦しさがあとで笑い話や楽しさに変えられるかどうかは、リーダーがメンバーとどう向き合ってきたか、どういう環境を用意できたかによると思うわけですが。その新人ちゃんは、仕事はとてもつらくて自分には向いていないものと思って退職届を出したとか。
でも、私たちと久しぶりに話して(前はいっしょのチームで働いていた)、「やっぱり人だったんだ!あの頃の仕事って楽しかったって、今、はっきり思い出しました!」と号泣していました。
彼女はしばらく休養へ。そして、やるせない春がはじまります。