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「おかあさん、ありがとう」と言いたくなるゲーム、『MOTHER』の話。

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今週のお題「母の日」 

ファミコンには時々、「マジですごいな」と思えるゲームがあります。1989年7月に任天堂から発売されたRPG『MOTHER』もその1つです。シリーズ作品である『MOTHER2』を名作と挙げる人も多いですが、個人的には1作目である『MOTHER』をゲキ推ししたいと思います。今回の記事には、ネタバレが含まれていますので、嫌いな方は読み飛ばしてください。

 

 

 

『MOTHER』って、どんなゲーム?

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1980年代のアメリカみたいな国を舞台にしたRPGです。システム的な大きな特長は、『ドラゴンクエスト』のように「フィールド」や「町」が別々のマップで分かれておらず、隣の町までもテクテクテクテク…と、ひたすら歩いていく広大なマップを旅していくところです。1980年代には、さまざまなアメリカ映画が日本で上映されており、そこで描かれていたアメリカの街がゲームになった感じです。

 

主人公は、超能力を持った少年。お父さんが留守の間、お母さんと妹を守ることを約束しています。しかし突然、街のいたるところでフシギなことが起こるようになり、主人公の家でも人形が突然動き出し襲いかかってきました。どうやらこの現象は、超能力に関係することらしい。主人公はお父さんの許可をもらい、お母さんと妹を守るために、片手にバット、背中にリュックを背負い、そのフシギな現象のナゾを解き明かすために、冒険の旅に出るのでした。

 

冒険の旅といっても、子どもが行ける範囲ですから、電車で数駅といった範囲なんですけどね。でも、子どもの目からしたら、とてもとても広い世界が広がっているのです。ちょっと話がズレますが、小学校の頃、夏休みに友だちと自転車で遠出をしたことはありませんか。本作の冒険は、まさにそんな感じ。映画で言うと、『スタンド・バイ・ミー』であり『グーニーズ』の世界そのままなのです。

 

おかしなことはいたるところで起きていました。動物園では変な音のせいで動物たちが暴れており、墓場からは死体が起き上がっています。錯乱した人たちだけでなく、小型UFOみたいなものや宇宙人みたいなものが、主人公に襲いかかってくるように。

 

でも、主人公は1人じゃありません。旅の途中でかけがえのない友だちと出会っていきます。いじめられっ子だけど発明の天才ロイド、主人公以上に強い超能力を持つ少女アナ、街のゴロツキたちをまとめている不良少年テディ。戦車を動かして砂漠越えに挑戦したり、飛行機に乗って遊覧飛行を楽しんだり、お化け屋敷を探検したり、劇場のステージに立ってみんなで歌を歌ったり…。冒険は大変なこともあるけれど、楽しい思い出もたくさん作られていくのでした。

 

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子どもしか行くことができない、フシギな国に迷い込んでしまうこともありました。その国の名前は「マジカント」。やさしい女王クイーンマリーによって治められている夢のような国。住民たちはなぜか主人公たちに好意的で、この国にまで侵入している敵から主人公たちを守るために、その身を挺して助けてくれる者もいます。

 

フシギなことは他にもありました。冒険の中で、大きな異変が起きているところには必ず、謎の断片的なメロディがあるのです。旅を続けていく中で、メロディはどんどん増えていきます。どうやらメロディをすべて集めると、1つの歌になるようでした。

 

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旅も終盤に差しかかると、この地方一体を襲っているフシギな現象を起こしている存在は、頂上がいつも雲に隠れている山ホーリーローリーマウンテンにいることが分かってきます。敵の正体も判明します。その名は「ギーグ」。はるかかなたの惑星より飛来したナゾの存在であり、彼は地球よりはるかに高い科学技術と強い超能力を持っているようです。

 

そして、この「ギーグ」に主人公の祖父と祖母が深くかかわっていることが明らかになっていくのでした。

 

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主人公の祖父ジョージと祖母マリアは、生まれたばかりの「ギーグ」の世話をするためにさらわれたのです。ジョージは彼らの思惑を知り、宇宙船から科学と超能力の技術を盗んで逃亡。来たるべき時に備えて、準備を進めました。しかしマリアは、「ギーグ」に憎むことができなかった。生まれたばかりの「ギーグ」は、マリアが歌う子守歌を聞くととても喜んでいました。そんな我が子のように育てた「ギーグ」に、彼女は刃を向けることができなかったのです。

 

そして迎えた最終決戦。「ギーグ」を倒せば平和が戻ります。そのためにここまでやってきたのです。しかし、大きな誤算が1つ。「ギーグ」のチカラは想像を超えるほど強大で、主人公たちはギーグからの攻撃の正体もつかめないまま、一撃ごとに瀕死になるほどのダメージを負っていくのでした。

 

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まったく勝てる可能性が見えない。絶望的なまでに一方的な戦い。しかし、追いつめられた主人公に、1つのひらめきが舞い降ります。

 

それは「歌う」こと。
何を歌うのか?それは、この旅の中で手に入れたメロディです。

 

その歌声を聞いた瞬間、「ギーグ」は激しく動揺しはじめます。「ソノ歌ヲ、ヤメロ!」「黙レ!歌ウナ!」 歌わせまいと、「ギーグ」は攻撃を強めます。それらに耐えて、1フレーズずつ、みんなで歌っていきます。これまでどんな物理攻撃も超能力も効かなかった「ギーグ」ですが、集めてきた8つのメロディを聞くたびに、大きな衝撃を受けて、正式的なダメージを受けていきます。

 

8つのメロディの正体は、それは子守歌でした。

 

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主人公たちがずっと冒険をしてきたのは、旅の中で成長してきたのは、「ギーグ」を倒すためではありません。「ギーグ」にこの歌を届けるためだったのです。

 

「ギーグ」にとってこの歌は、<MOTHERの記憶>そのもの。そして8つのメロディを聞き終えて、完全に幼い記憶を取り戻した「ギーグ」に、母マリアが愛した星を攻撃する気力はもはや残っていません。愛を思い出し、冷徹な執行人に徹することができなくなった「ギーグ」は、唯一の肉親といえる主人公に別れを告げ、地球を去っていくのでした。

 

このストーリー、子どもの頃よりも、大人になってからのほうがグッときます。とってもステキなRPG『MOTHER』。ストーリーを知っていても、大人の場合、ちょっとした理由で楽しめる仕掛けがありますので、興味をお持ちになられた方はぜひプレイしてみてください。