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『アベンジャーズ/エンドゲーム』を楽しむためのマーベル・シネマティック・ユニバースの各作品紹介と個人的に見るべきポイントまとめ。

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アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されました。マーベルコミックスの各キャラクターを同一世界観で実写映画化する一大プロジェクト、マーベルシネマティックユニバース(MCU)は、本作で大きな一区切りを迎える。今回は、10年以上にわたるMCUの集大成というべき『アベンジャーズ/エンドゲーム』を120%楽しむために、MCU全作品の個人的に見るべきポイントをまとめてみたよ!

 

 

 

なぜ、この企画をやるのか?

それは、マーベルシネマティックユニバースの映画の作り方は、一般的なヒーロー映画とはちょっと異なると個人的には思っていて。「ヒーローも人間であること」を意識して作られており、心情描写などがすごい。そして、作品間で情報を補完し合っているので、ある作品だけを見ると、ちょっとムカつく大人として描かれている人物でも、他の作品を観るとあのときそういう態度を取ったのは彼なりの優しさだと気が付いたり。だから、全部観ていると、『アベンジャーズ/エンドゲーム』は最高に出来が良く、最高なんですよ。

 

俺は、今日、『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観てきたけど、序盤はもらい泣き、中盤は笑い泣き、終盤は号泣です。端から見たらただの情緒不安定なオッサンなのかもしれないけど、俺みたいに直前までで21作品観てきた人間なら、きっと共感していただけるんじゃないでしょうか。

 

 

1作目『アイアンマン』

<ストーリー>
アイアンマン誕生の物語。世界有数の軍需企業スターク・インダストリーズの社長トニー・スタークは、アフガニスタンでテロリスト集団に拉致されてしまう。監禁されている洞窟の中で、トニーは現時点の科学技術では実現不可能である熱プラズマ反応炉「アークリアクター」の小型化になぜか成功してしまう。そのエネルギーをもとにパワードスーツを制作し、脱出に成功する。アメリカに戻ったトニーは、自分の作った武器がテロリストの手にも渡っている事実を知り、会社の兵器開発を全面ストップ。自ら悪と戦うために、パワードスーツの改良に着手し、ついにアイアンマンが誕生する。しかし、スターク・インダストリーズ内には裏切り者がいて、彼はトニーのアークリアクターを狙っていた…。

 

<見るべきポイント>
アイアンマンというヒーローよりも、トニー・スタークという人物に焦点を当てた作りになっているところがポイント。兵器開発よりも、アイアンマンとして自分の才能を正しいと思えることに使いたいと考えるトニーの姿がカッコイイ。そして、MCUが進むにつれて、正論だけでは生きていけなくなるトニーを姿を見ると、この頃がとても眩しいと感じます。

秘書のペッパー・ポッツとの、お互い信頼し合っていて、それとなく、核心に触れる発言をしているけど、決定的なひと言は言わないという関係性が見られるのは本作だけです。心臓に繋がるアークリアクターの交換という、生命にかかわることを頼める人間はペッパーしかいないというトニーの孤独が感じられます。

今作で出てくるアイアンマンマーク2が、続編アイアンマン2でウォーマシンに姿を変えます。

「授かった力を正しいことに使いたい」「これが自分の使命だとやっと分かった」とペッパーに語るトニー。このシーンを覚えておくと、『シビル・ウォー』スパイダーマン:ホームカミングでトニーがピーター・パーカーにかける言葉の裏に何を思っているかが分かって、シーンに深みが増します。

トニーが話しかけている人工知能J.A.R.V.I.S.(ジャービス)。Just.A.Rather.Very.Intelligent.System.の略称なのだが、トニーの父であるハワードの執事であり、トニーの家庭教師でもあったジャービスの名前でもあります。

エンドロールの最後に、S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーが登場。トニーを「アベンジャー計画」を持ちかけます。

 

 

2作目 『インクレディブル・ハルク

<ストーリー>
ハルク誕生の物語。第二次世界大戦の最中、アメリカ軍はスーパーソルジャー計画という人工的に超人をつくる研究を行なっていた。しかし、研究成果は事故により失われてしまう。科学者ブルース・バナーはその研究を行なっていた。しかし、研究中の事故により、緑色の巨人ハルクへと変身。軍から追われる立場となってしまう。そんなハルクを追うのは、バナーの恋人ベティの父ロス将軍だった。バナーは協力者「ブルー」の指示のもと治療法を探りつつ、ロス将軍の指揮下にある特殊部隊に追われる逃亡の日々を送る。

 

<見るべきポイント>
バナーが研究しているスーパーソルジャー計画は、キャプテン・アメリカを生み出したものです。

本作に出てきたロス将軍は、ハルクによってスーパーヒーローの恐るべき力を思い知ったこともあり、『シビル・ウォー』で再登場した際にはソコヴィア協定の推進派になっています。

 

 

3作目 『アイアンマン2

<ストーリー>
自らさまざまな紛争地域に飛んでいき、テロリストを制圧することでアメリカの平和を守るアイアンマン=トニー・スターク。しかし、アイアンマンだと名乗ってしまったがゆえに、彼の命を狙う者が次々と現れていた。そしてついに、不可能と言われていたアークリアクターの小型化に成功した2人目の天才が現れる。彼の名はイワン・ヴァンコ。イワンはもう1人のトニーというべき暗黒面の象徴であり、トニーとイワンはコインの表と裏のような存在。しかし、トニーはアークリアクターに使用したパラジウムに肉体を蝕まれ、あとわずかしか生きられなくなっていた…。

 

<見るべきポイント>
トニー・スタークが、父親と上手く行っていなかったと感じており、常に感じていた孤独を紛らわせるために、機械いじりをして過ごしていたことが分かるシリーズ2作目。父とふれあう機会が少なかった天才トニーと、父から毎日呪詛を聞いて過ごしてきた天才イワンという対立構造が面白いです。

トニーの父親は、トニーを避けていたわけではなく、トニーに明るい未来を与えるためにS.H.I.E.L.D.設立といった仕事に没頭していたことが発覚。ニック・フューリーから受け取った父ハワード・スタークの私物にあった8ミリフィルムには、父から息子にあてたメッセージが隠されていた。それはまるで未来を予見したハワードが息子にあてたヒントでした。

スターク・インダストリーズの法務部の美人秘書が登場。その正体は、ニック・フューリーから送られてきたS.H.I.E.L.D.のエージェント、ブラック・ウィドウ。若く美しいスカーレット・ヨハンソンは必見。

ウォーマシン初登場。

イワンがハマー社アーマーを改造して作ったハマー・ドローン軍団のアイデアを、トニーは後にアベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンでアイアンレギオンとして活かされます。

作品の途中で、S.H.I.E.L.D.のエージェント、コールソンニューメキシコに転属になる。彼の行先に待ち構えているのは謎の落下物体であり、それをめぐる物語はマイティ・ソーへと続いていきます。

 

 

4作目『マイティ・ソー

<ストーリー>
地球の別の名はミッドガルドであり、世界樹が包括する9つの世界の1つにすぎない。すべての世界を守護するアスガルドは大神オーディンによって統治されていた。その息子である第一王子ソーは粗暴にして傲慢、喧嘩っ早い性格だった。あるとき、父の言いつけを破り、氷の世界ヨトゥンヘイムに侵攻したことを咎められたソーは、オーディンによって、神としての全能力、全能の鉄槌ムジョルニアを奪われ、ミッドガルドに追放されてしまう。ニューメキシコ州に落ちてきた彼を助けたのは、天文物理学者ジェーン・フォスター。貧弱な人間となり、人間たちと過ごしていく平和の日々の中で、ソーは自分に欠けていた大切なものに気がつき始める。そのころ、砂漠に落下したムジョルニアの研究のためにエージェント・コールソン率いるS.H.I.E.L.D.が動き始めていた…。

 

<見ておくべきポイント>
後のアベンジャーズメンバー、ホーク・アイ初登場。S.H.I.E.L.D.のエージェントのスナイパーとして、ムジョルニアを奪回しに来たソーと対峙します。

粗暴にして傲慢だったソーが、地球で人間たちとふれあう中で、人間的な成長を遂げていく過程が本作の見どころ。

S.H.I.E.L.D.が、ムジョルニアやジェーンのワームホール研究資料を漁っていくメン・イン・ブラックのような働きをしているところもポイント。未知の叡智を求める動きは、実はこの時点ですでにS.H.I.E.L.D.がヒドラに侵略されている伏線だったりするのでした。

ロキ初登場。本作の最後で、宇宙の彼方に消えていったように見えるが、実は地球でエリック・セルヴィグ博士に憑りついていました。

エンドロールの最後で、ニック・フューリーがコズミックキューブをセルヴィグに見せて研究を依頼する。このコズミックキューブは、6つあるインフィニティストーンの1つであり、キャプテン・アメリカで海に沈んだものと同じ。そして、アベンジャーズの物語の発端にもなります。

ソーの出現によって、S.H.I.E.L.D.は人間以上の存在を確認し、それに対抗できる兵器開発を進めることになり、コズミックキューブの力を使った研究を推し進めることになってしまうのでした。

 

 

5作目『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』

<ストーリー>
第二次世界大戦真っ只中の1942年。スティーブ・ロジャースは、生まれながら病弱かつ貧相な身体のせいで軍への入隊を志願するものの不合格になり続けていた。そんな彼に注目したのがエイブラハム・アースキン博士。博士はスティーブに聞く。「そんなにドイツ兵を殺したいのか」と。スティーブは答える。「できれば誰も殺したくない。でも悪は許せない」。アースキン博士の推薦で、スーパーソルジャー計画の被験候補生になった彼は、見事に被験者1号の座を掴み、実験は成功。超人的な肉体を手に入れる。しかし、軍は彼をプロパガンダ用のヒーローとして利用。スティーブは思っていたのと違う現実に愕然とする。そんなとき、慰問先で親友バッキーナチスの捕虜になったと聞き、スティーブは命令を無視して単独で捕虜救出を決行。見事、バッキーを含む200名以上の捕虜救出を成功させ、本物の戦場の英雄となっていく。しかし、ナチスの秘密研究組織ヒドラと、未完成のスーパーソルジャー計画の被験者レッドスカルの存在を知り、長い戦いに身を投じていく…。

 

<見るべきポイント>
ティーブが一生涯に1人だけ愛すると決めたパートナー、マーガレット・エリザベス・カーターとの悲恋は必見。土曜日に取り付けていたダンスの約束は結局果たされることなく終わってしまうのでした。しかし、『エンドゲーム』において、長い遠回りをして、この約束は果たされます。

ティーブの親友、バッキーことジェームス・ブキャナン・バーンズとの熱い友情は必見。「悪いことするなよ」「相棒がいなけりゃできないだろ」。トニーの父親であるハワード・スタークが重要な役割として出てきます。スティーブにトレードマークとなる円形の盾を与えたのは彼。キャプテンの盾は地球最強の金属ヴィブラニウムで出来ており、この金属の原産地はブラックパンサーに出てくるアフリカの小国ワカンダ。

レッドスカルは、コズミックキューブの力で消滅したかに見えますが、実は宇宙の果てに転送させられており、ある役目を担うことになる。それは、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーで明かされることに。

コズミックキューブはハワード・スタークの手によって回収され、この力を利用するための「プロジェクト・ペガサス」がスタートすることになります。プロジェクトの全容が明かされるのは、キャプテン・マーベルにて。

 

 

6作目『アベンジャーズ

<ストーリー>
S.H.I.E.L.D.の研究施設で問題が発生した。それは研究中だったコズミックキューブが謎の暴走をはじめたのだ。そしてキューブはある人物を出現させる。それは、宇宙の彼方に消えたと思われていたソーの弟ロキだった。彼は、宇宙種族チタウリと結託し、セプターと呼ばれる杖を使い、S.H.I.E.L.D.のメンバー、ホーク・アイやセルヴィグ博士を洗脳し、S.H.I.E.L.D.の研究施設を破壊。チタウリの本隊を呼び寄せるための巨大の「穴」を地球に出現させようとしていた。この史上最大の危機に対して、S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーは凍結していたスーパーヒーローチーム「アベンジャー計画」の発動を試みる。集まったのは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラックウィドウ…。一筋縄にはいかない彼らはいがみ合い、チームを結成できるとは思えない。しかし、地球の本格的な危機を前に、彼らに変化が生じる…。

 

<見るべきポイント>
それぞれのマーベル作品の主人公が一堂に会して巨大な敵を倒すお祭り映画ではありますが、それは本作の一面にすぎません。それぞれの生い立ちや任務といった状況から自分以外は簡単には信じないという者たちが、次第にチームメンバーを信頼し、背中を預けるようになっていくところこそ、本作の神髄だと個人的には思っています。

終盤、ニューヨークに撃ちこまれた核弾頭を、ワームホールの先にあるチタウリの大軍団に向けて放り投げたアイアンマン(トニー・スターク)は、唯一、肉眼で地球外の脅威を目撃した人間であり、そのせいでアイアンマン3では不安神経症に陥ってしまいます。脅威に対して無防備すぎる地球。この事実が、統制のとれたアイアンレギオンで地球全土を防衛するべきという彼のウルトロン計画への熱望に変わっていくのです。

また、アベンジャーズ/エンドゲーム』で明らかになりますが、実はこの時期、ニューヨークにインフィニティ・ストーンが3つ集まっていました。

小ネタでいうと、オープニングで出てくる研究施設のカベには「プロジェクト・ペガサス」と書かれており、そのプロジェクトがコズミック・キューブの力を使った研究であることは、後にキャプテン・マーベルで明かされることになります。また、銀行でキャップに助けられた女性は、キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』でも再登場。その正体は、マーガレット・エリザベス・カーターの姪であるシャロン・カーター。

 

7作目『アイアンマン3

<ストーリー>
コズミックキューブの力によってニューヨーク上空に開いた巨大な穴。アイアンマン=トニー・スタークは、チタウリを撃退するためにその穴に戦略核ミサイルを投げ込んだ。その際、彼はチタウリの大艦隊を目の当たりにして、地球がいかに無防備な状態であるかを思い知る。不安神経症に陥ったトニーは夜眠れなくなり、アイアンマンスーツの開発に勤しんでいた。その頃、かつてトニーを拉致監禁したテロリスト集団『テンリングス』は新たな指導者マンダリンを迎え、アメリカに着実にダメージを与え続けていた。トニーも『テンリングス』の攻撃を受け、自宅は破壊されてしまう。未完成のスーツ「マーク42」とともに脱出できたものの、トニーはアイアンマンスーツが満足に使えない戦いを強いられることに…。

 

<見るべきポイント>
前作アベンジャーズでの体験から、今のままでは宇宙からの脅威に対抗できないことを思い知った現実主義者のトニー・スターク。彼が数十体におよぶアイアンマンスーツを作った背景には、「直接的な解決にはならないけど、何かしなくちゃいけない」という彼なりの責任感と焦りがあるのでしょう。

注目すべきは、敵であるキリアンの存在です。彼は1999年にトニーが適当にあしらったことで悪魔と化した人物。この一件で、トニーは自分が行なってしまったことに対してきちんと責任を取らなければならないことを痛感するわけで。以降、『アイアンマン1』『アイアンマン2で見られた調子に乗った言動が鳴りを潜めます。また、スパイダーマン:ホームカミングで危うく大参事を起こしそうになったピーター・パーカーに対して「責任」という説教をする一面は、彼自身の苦い経験が元になっているのではないでしょうか。

アイアンマンスーツに依存しているトニーが、アイアンマンスーツへの依存を断ち切る物語でもあります。大切なのは、スーツによって得られた力ではなく、スーツを着なくてもやらなければならないと感じる心。スパイダーマン:ホームカミングで、トニーはこの自身の経験をもとにピーターに「スーツがないとダメな人間に、スーツを着る資格はない」と語っています。本作はトニー自身の精神的な成長が描かれた作品なのでしょう。

小ネタとしては、『アイアンマン1』でトニーと協力してアイアンマンマーク1を開発したインセン博士とトニーが1999年に会っていることが描かれている。別れ際のセリフが「また、いずれどこかで」であり、再開する場所がアフガニスタンの洞窟になるという皮肉(笑)。

 

 

8作目『マイティ・ソー/ダーク・ワールド

<ストーリー>
ロキのビフレストによる攻撃、惑星直列によって、ユグドラシルの樹に支えられている9つの世界は混乱に陥っていた。ソーはアースガルド(地球)にいるジェーンのことを想っていたが、王として個人の望みよりも民衆のことを優先し、各地で起きている略奪や紛争を収める戦いに身を投じていた。惑星直列は5000年ごとに起きる宇宙の神秘。5000年前、宇宙の始まりよりも前にから生きていた種族ダーク・エルアの王マキレスは、宇宙開闢の際に生まれた6つのインフィニティ・ストーンの1つエーテル(リアリティ・ストーン)を使って宇宙を再び闇に戻そうと画策した。オーディンの父ボーによってそれは阻止され、エーテルも封印された。しかし今、再びはじまる惑星直列に向けてマキレスは復讐のために動き出そうとしていた。一方、地球に住む天体物理学者のジェーンは、ずっとソーの帰りを待ち続けていた。ふとした偶然から、惑星直列による次元の隙間に入り込み、エーテル接触エーテルを体内に取り込んでしまう…。

 

<見るべきポイント>
作品として観るべきポイントは、やはりソーとロキとの共闘でしょう。共通の敵を持ち、抜群の息のあった戦いを見せてくれる2人の姿は要チェック。あとは、なさなければならないことではなく、やりたいことをするという決断をしたソーの決意でしょうか。これは、ジェーンに対するソーの誠意そのものなわけで。シフという親公認の花嫁候補がいるにも関わらず、ソーは王位継承の権利も捨てて、ジェーンのもとに駆けつけるわけです。それゆえ、後にどうしてソーとジェーンは別れることになるかのは、気になるところです。

キャラが濃い割には前作でまったく出番がなかったウォーリアースリーの面々にも少しだけ出番があって良かったです。

小ネタとしては、『アベンジャーズ』でロキのセプターによってマインドコントロールされてしまったセグウィグ博士が、宇宙の真理を知りすぎて、変態みたいに描かれているところはお笑いポイント。ソーが「ロキは死んだ」と伝えたときに、思わず「そりゃ良かった!」というところも良いですね。

 

 

9作目『キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』

<ストーリー>
氷漬けになりながら70年後の世界で目覚めたキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャー)。恋人であるマーガレット・エリザベス・カーターは生涯独身を貫き、現在は老人ホームで病床に臥せている。再会を果たしたスティーブは、この時代に生きる意味を、マーガレットが創設に関わったS.H.I.E.L.D.のために尽くそうと考えていた。その頃、S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーは、街中で突如謎の集団に襲われ、死亡する。フューリーは何者に殺されたのか。その謎を追うスティーブは、なぜかS.H.I.E.L.D.から裏切り者として追われるはめに。そんなスティーブを助けたのは、アベンジャーズの仲間であるブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)。そんな2人の前に、伝説と謳われるスゴ腕の殺し屋ウインター・ソルジャーが姿を現す…。

 

<見るべきポイント>
70年氷漬けになっていたキャップを待ち受けていたのは、それでも滅びていなかったヒドラだった。冒頭でサムに「この時代での居場所がない」と語っているキャップは、なんとか自分の居場所を作ろうと頑張っており、マーガレット・エリザベス・カーターが設立に苦心したS.H.I.E.L.D.をその場所としようとしていました。しかし、S.H.I.E.L.D.は何十年もかけてヒドラに乗っ取られていたことが判明し、自分の信念に従い、S.H.I.E.L.D.の完全瓦解を目指します。組織によって「正義」が捻じ曲げられてしまうこの経験があるからこそ、キャップは『シビル・ウォー』にてソコヴィア協定にサインできないのでした。

本作で注目すべきもう1人の人物は、ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)です。彼女は暗殺者として育てられてきたこと、大勢を殺めてきたことを恥じており、その償いをしたいと強く思っています。S.H.I.E.L.D.に身を置き、その任務に精を出してきたのは、「ここに居場所を見つけて、少しはまともな人間になれた気がする」からでした。しかしそれも、ヒドラに利用されていることだった。アイデンティティの喪失。だからこそ、「正しい人間でいたい」という思いが、『シビル・ウォー』でアイアンマンと決別する選択、『エンドゲーム』での決断にも繋がっていくのでしょう。

また、本作では死んだはずのニック・フューリーが生き返る描写があります。これは、コールソンが生きていたのと同じ仕掛けがあり、ドラマ版『エージェント・オブ・シールド』でその理由が語られています。

小ネタとしては、オープニングでランニングをしているサムに対して「左、失礼!」と何度も追い越していくキャップ。『エンドゲーム』で、たった1人サノスの軍隊と対峙するキャップに対してサムが「左だ、キャップ!」といったのは、味方の出現方向を教えただけではなく、「今度は俺がキャップの左を失礼するぜ」という意味でもあり、世代交代を示唆しているとも取れます。

 

 

10作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

<ストーリー>
1988年、母親を亡くしたばかりの少年ピーター・クイルは、宇宙海賊ラヴェジャーズ拉致監禁されてしまう。それから26年後、クイルは"スター・ロード"と名乗るアウトローとして宇宙を股にかける海賊稼業を行なっていた。クイルは育ての親であるラヴェジャーズのボス・ヨンドゥの儲け話「惑星モラグの遺跡からオーブというお宝を取ってくる」を聞きつけ、一足先に横取り。怒ったヨンドゥはクイルを賞金首にする。クイルとオーブを巡って、賞金稼ぎのアライグマ、ロケットと樹木型宇宙人グルート、暗殺者ガモーラは熾烈な争奪戦をくり広げ、結果、全員が刑務所に送還されてしまう。刑務所で出会ったドラックスを加えたロクデナシたちは賞金のために協力し合って脱獄。オーブを売ろうとして、その正体がインフィニティ・ストーンの1つであるパワー・ストーンであることを知ってしまう。その力を目の当たりにした5人は、銀河の危機を身を持って味わい、急ごしらえのチームガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを結成するのだが…。

 

<見るべきポイント>
最初から登場人物が多く、またその説明も最小限にとどめられているため、なんだかよく分からない印象のある本作。しかし、MCUにおける宇宙側の重要人物がたくさん出てくるので、MCUを楽しむためには押さえておいた方がいい1本。『エンドゲーム』でも大切な話として描かれていますしね。

本作で敵として描かれているロナンクリー人であり、汚れ仕事をメインに行なってきた彼は、同じくクリー人が出てくるキャプテン・マーベルにも登場。マーベルの強大な力に魅せられ、彼自身、大きな力を手に入れたいと考えるようになります。

小ネタとしては、作中に登場する"コレクター"ことタニリーア・ティヴァンは、マイティ・ソー/ダーク・ワールドの最後でエーテルリアリティ・ストーン)の管理をアスガルドから任されており、彼自身が密かにインフィニティストーンを集めようとしていることが伺える。

 

 

11作目『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

<ストーリー>
S.H.I.E.L.D.はヒドラに乗っ取られていた。アベンジャーズでロキから奪い返した杖セプターを使ってヒドラの研究員が何か研究していることを知ったアベンジャーズは、東欧の小国ソコヴィアにあるヒドラの施設を襲撃。セプターの奪取に成功する。実はセプターの正体はインフィニティ・ストーンの1つマインド・ストーンであり、ヒドラはそれを元に人工知能の研究を行なっていた。アイアンマン(トニー・スターク)は、ヒドラに作られた強化人間スカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)の精神攻撃を受け、宇宙から侵略者たちにアベンジャーズが全滅する未来を見る。そんな未来を回避するために、トニーはブルース・バナー(ハルク)と協力し、ヒドラの研究成果とセプターを使って地球を守るためのアイアン軍団を動かす人工知能を作ろうとする。しかし、人工知能は不完全な状態で自我を持つウルトロンが誕生。地球を守護するために生み出されたロボットたちは、地球を守護するためにアベンジャーズを全滅させるための鋼鉄の軍団と化してしまう…。

 

<見るべきポイント>
スカーレット・ウィッチ、クイック・シルバーの初登場作品。

アイアンマン(トニー・スターク)にとって一生忘れられない心のキズとなるウルトロン事件が起きる作品。サノス率いる宇宙への脅威への対応策として、アイアンレギオンによる地球防衛軍隊を作ろうと考えたトニー。しかし、結果は思惑とは裏腹に、人類への脅威としてのウルトロンを生み出してしまいます。自分が行なったことで発生した大きな犠牲。その責任を取らなければならないと考えるトニーは、後に国連による管理下に自分が置かれることを望むように。以前の自由奔放な彼からは想像もできませんが、本作を押さえておくと、心境の推移が見えてきます。

錯乱したハルクとアイアンマンマーク44こと"ハルクバスター"との戦いは本作の見どころですが、大暴れしたハルクの姿を全世界に中継されてしまったことが、ブルース・バナーのトラウマとなります。彼がソコヴィアの一件後、好意を寄せてくれていたナターシャ・ロマノフに別れを告げるのは、自分でも制御できない衝動で愛する者を壊したくない思い、愛する者に嫌われたくない思い、世界から嫌われている自分のそばにいることでナターシャを傷つけたくない思い、いろいろあると思います。でも一番の理由は、同じ傷ついた者同士でも、過去の過ちを受け入れているナターシャと、そこまで乗り越えられていない自分の違いに気が付いてしまったからではないでしょうか。ソコヴィアでハルクを出現させるためにナターシャがやったことが、2人の生き方に決定的な違いがあることを指し示している気がします。

キャプテン・アメリカへの精神攻撃では、マーガレット・エリザベス・カーターがダンスホールに現れ、「"家"に帰らないの?」と尋ねてきます。しかし、彼には帰るべきところがないのです。彼は、本作の最後でアベンジャーズを「ここが家だ」と断言します。その家も『シビル・ウォー』で失ってしまいます。『インフィニティ・ウォー』でも失ってしまいます。

ホーク・アイの家族が描かれます。超人たちが集まるアベンジャーズの中で、人間として活躍するホーク・アイ。そのしんどさを、愚痴のようにスカーレット・ウィッチに話すシーンはとても人間臭くて良いです。仕事として守らなければならないもの、自分が守りたいもの、その狭間で苦悩する人間がホーク・アイです。どこまで頑張れるか。どこで手を引くか。ずっと悩み続けていたことの結論は、『シビル・ウォー』で出てしまいます。

小ネタとしては、ウルトロンがヴィブラニウムを買う武器商人ユリシーズ・クロウは、ヴィブラニウムの原産地であるワカンダを舞台にした『ブラック・パンサー』で再登場します。また、ニューヨークに立っていたスタークタワーをアベンジャーズの本拠地でなくしたのは、アベンジャーズへの世間の風当たりが強くなってきたため。そこで、ニューヨーク北部にあったスターク社の古い倉庫が改修されて、新しいアベンジャーズの本拠地になります。

 

 

12作目『アントマン

<ストーリー>
スコット・ラングは、人生最大のピンチを迎えていた。窃盗による前科により職に就けず、元妻からは養育費の支払いを請求されつづけ、愛する娘にも会えない。スコットはかつての泥棒仲間であるルイス、デイヴ、カートたちの持ってきた儲け話に乗り、ある屋敷の大金庫を狙うことになる。手際よく金庫を開けたスコットだが、そこにあったのは古びたライダースーツ。戦利品を思わず持って帰ってきてしまったスコットは好奇心からそれを着てみると、体長わずか1cmに縮小してしまう。そのスーツは、かつてS.H.I.E.L.D.に所属していたエージェント「アントマン」のものであり、それを盗ませたのは、アントマンスーツと物体を縮小させるピム粒子の開発者ハンク・ピム博士その人だった。ピム博士は、かつてトニーの父親であるハワード・スタークらとS.H.I.E.L.D.に所属していたが、S.H.I.E.L.D.内の不穏な動き(ヒドラによる侵略)にピム粒子が悪用されるのを恐れ、袂を分かっていたのだ。ピム博士は、弟子であるダレン・クロスの暴走を止めるために、二代目アントマンになれる人間を探していたのだ…。

 

<見るべきポイント>
アントマンはこれまで出てきたマーベルヒーローと異なり、いわゆるフツウの小市民が主人公。スコット・ラングは、社会的には前科者だけど決して悪い人間ではなく、娘のキャシーのことを誰よりも愛しています。でも、生き方が不器用なため、実社会ではきちんと評価されません。そんな彼が関わることで、ハンク・ピムと娘のホープは長年のわだかまりが解け、親子の絆を取り戻していく。親子、家族というものに焦点を当てたドラマが個人的に好きです。

作中、ピム・テック侵入のために必要な部品を回収するために、スターク・インダストリーズの古い倉庫に潜入しようとするスコット。しかしそこは、アベンジャーズの新しい本拠地となっており、スコットはファルコンと交戦。ファルコンを出し抜くことに成功します。そこで存在を知られたアントマンは、ファルコン経由で『シビル・ウォー』に参加することになるのでした。

ダレン・クロスがイエロージャケットを売ろうとしていた相手はヒドラ。まだ壊滅していませんでした。この組織が『シビル・ウォー』でもキャップにキバを剥くのかと思わせて、黒幕はまったく別の人なわけですが。

 

 

13作目『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

<ストーリー>
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンでのソコヴィアの壊滅。ナイジェリアでの一般市民への被害。これらによりアベンジャーズ国際法違反の自警団ではないかという世論が巻き起こり、アベンジャーズは非難にさらされる。超常的な力を持つ者たちを脅威と感じ始めていた国際連合「ソコヴィア協定」を策定し、アベンジャーズを国連管理下に置くことを求めた。これに対して、アベンジャーズ内では意見が2つ分かれる。強大な力だからこそ管理が必要と考えるアイアンマン、組織に身を置くと本当の正義を見失うと考えるキャプテン・アメリカ。そんな折、ソコヴィア協定の調印式で爆破テロが発生。犯人は、監視カメラの映像からウインター・ソルジャーと推測された。しかし、キャプテン・アメリカは事件の背後に何者かの思惑があることを察知し、ウインター・ソルジャー(バッキー)の確保と真相究明に乗り出す。しかしその動きは、国際連合としては看過できないものであり、アイアンマン率いるアベンジャーズキャプテン・アメリカ拘束の指令が下される…。

 

<見るべきポイント>
キャプテン・アメリカのシリーズ3作目だけど、アベンジャーズがほぼ総出演する本作。『エイジ・オブ・ウルトロン』でも指摘されていたアベンジャーズの弱点であるチームワークが瓦解。いろいろあって、ほとんどのメンバーがアベンジャーズを去ることとなり、アイアンマン(トニー・スターク)はほぼ1人で地球を守ることを余儀なくされてしまいます。この作品で団結力を失ったからこそ、『インフィニティ・ウォー』アベンジャーズはサノスに敗北するのでした。

スパイダーマン、ブラック・パンサー初出演。

スパイダーマンことピーター・パーカーをトニー・スタークがスカウトに行くくだりが熱い。「なぜ、人助けをしているんだ」という問いに、ピーターがちょっと考えて答えた「せっかく授かった力を、正しいことに使いたいと思ったから」に、きっとトニーはアイアンマンスーツを手に入れた当初の自分の気持ちを思い出したのでしょう。そして前途ある若者に、自分のような道を歩ませてはいけないとも思ったと推測されます。

アイアンマンとキャプテン・アメリカが決別する決定的な問題は、キャップが『ウインター・ソルジャー』のラストですでに知っていた、トニーの両親を殺した犯人をトニーに黙っていたこと。トニー自身がアイアンマン2で父親との確執を解消していたからこそ、キャップが隠していた真実は衝撃的だったのでしょう。

逮捕されたホーク・アイは、司法取引によって、アベンジャーズとしての活動権利を棄てて、家族と暮らす道を選びます。

 

 

14作目『ドクター・ストレンジ

<ストーリー>
ニューヨークの病院で働く天才外科医スティーヴン・ストレンジ。ある日交通事故に遭った彼は、外科医としては致命的な、両手にマヒが残るケガをしてしまう。一瞬にしてその輝かしいキャリアを失った彼は、あらゆる治療法を試し、最後にカトマンズの修行場カマー・タージに辿り着く。そこで神秘の力を操る指導者エンシェント・ワンと巡り会った彼は、未知なる世界を目の当たりにして衝撃を受け、ワンに弟子入りする。そして過酷な修行の末、ストレンジは魔術師として生まれ変わった。しかしそんな彼の前に、闇の魔術の力で世界を破滅に導こうとする魔術師カエシリウスが現れ、人類の存亡をかけた戦いを仕掛けてくる。戦いの最中、エンシェント・ワンから至宝「アガモットの眼」を託されるストレンジ。その正体は、インフィニティ・ストーンの1つタイム・ストーンだった…。

 

<見るべきポイント>
ドクター・ストレンジという作品は、これまでのマーベル作品となかなか絡みのない作品です。が、『インフィニティ・ウォー』では、タイム・ストーンを使って、1400万605通りの未来を見てきて、その中で唯一アベンジャーズがサノスの勝てる未来のキーパーソンとして「トニー・スタークを助けるためにタイム・ストーンをサノスに渡す」という選択までする男です。これは、『エンドゲーム』でエンシェント・ワンが予測できなかった未来として自らの判断ミスを認めるほど「あり得ない事態」なので、それを感じるためにも、魔術師ストレンジが誕生するこの物語は、押さえておく意味があるでしょう。

ちなみに、エンドロールでは、マイティ・ソー バトルロイヤル』に繋がるソーとストレンジの出会いが描かれています。

 

 

15作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

<ストーリー>
惑星ザンダー滅亡を目論んでいたクリー人ロナンの野望を打ち砕いたガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。彼らの名前は銀河に知れ渡っていた。仕事に困らなくなった彼らは、あるトラブルに巻き込まれてしまうのだが、謎の宇宙船が彼らを救う。その主は、クイルの父親と名乗った。クイルの母親は地球人だが、父親は宇宙でも古代の種と想定されており、インフィニティ・ストーンを使ってもクイルが死ななかった理由はその生まれにあるという。「ずっと息子を探していた」という父親に従い、父の地位を継ごうと考えるクイル。一方、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに恨みを持つ者たちは、宇宙海賊ラヴェジャーズにクイル捜索を命じていた。ラヴェジャーズの元船長ヨンドゥは、かつてクイルの父親の依頼で息子を探していた。しかし引き渡さなかった理由が、今明かされる…。

 

<見るべきポイント>
ぶっちゃけ、インフィニティストーンに関わるエピソードはほとんどありません。しかし、本作のテーマは「家族」であり、最初はバラバラだったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々が仲間たちのことを思い、家族とは血の繋がりではなく、いっしょにいる意味から生まれることを知る物語と言えます。冷酷非情なガモーラでさえ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーという家族を得ることで安らぎを覚え、この気持ちを父サノスと対決する際の武器にしようとさえするのです。しかし、サノスはガモーラに対して家族としての愛を持っていたわけで。その衝撃が『インフィニティ・ウォー』のあのシーンにおけるガモーラの驚きに繋がっていきます。

ヨンドゥに涙する作品。ヨンドゥ、本当はすごくいい父親だったのです(涙)。

 

 

16作目『スパイダーマン:ホームカミング

<ストーリー>
『シビル・ウォー』でアイアンマンチームの一員として参戦したティーンエイジャー、スパイダーマン(ピーター・パーカー)。トニー・スタークが開発したスパイダースーツをもらい、日夜、クイーンズ周辺の平和を守っている彼には不満があった。もっと大きな事件に関わって、この授かった能力を活かしたい。そのために、トニー・スタークからの連絡を待っていたが、連絡はまったく来なかった。そんなとき、アベンジャーズで地球に飛来した異星人チタウリの技術を使った武器を売買している集団の存在を彼は知る。トニー・スタークに認めてもらうため、ピーターは単独でその解決に乗り出すのだが、それは彼が、大いなる力には大いなる責任が伴うことを知る、切ない戦いの幕開けとなるのだった…。

 

<見るべきポイント>
スパイダーマンは、サム・ライミ監督版で3作、マーク・ウェブ監督版で2作、実写映画化されている作品であり、本作はそれらとは別アプローチとして、原作でもいくつかある、アイアンマン(トニー・スターク)と関わりを持つスパイダーマンのストーリーラインで実写映画化されました。今までの映画版では描かれていない、スパイダーマンが「親愛なる隣人」と呼ばれる所以にスポットを当てた感じです。大きなことを成す人間は小さなことが見ていられない。トニー・スタークは世界を守るという大きな役目がある。前途ある若者ピーターには、小さなところで弱者を守る正義を貫いてほしいと考えたのではないでしょうか。

本作は、これまでのマーベル作品に比べると派手さがありません。しかし、トニー・スタークにスーツを回収され、スパイダーマンスーツがない状態で、ヴァルチャーの正体とその目的を知った時、大好きな上級生とのデートよりも正義を行なうことを選択したこと、悪事だけを憎み命を大切に考えるラストシーンなど、他のヒーロー作品にはない胸アツ展開が後半待っています。

ラストシーンでトニー・スタークからプレゼントされる予定だった、新型スパイダーマンスーツ「アイアンスパイダー」は、『インフィニティ・ウォー』でその出番がやってきます。

本作の序盤で、トニーとハグしようとするピーターに対して、「よせ。まだそんな仲じゃない」と言うトニー。この時はまだそうだったことを踏まえて、『エンドゲーム』のあのシーンを見るとグッと来ます。

 

 

17作目『マイティ・ソー バトルロイヤル』

<ストーリー>
オーディンの正体は、死んだと思われていたロキだった。本物のオーディンを見つけたソーだが、その直後、オーディンは寿命を迎え、封印されていた姉ヘラが復活を果たす。ヘラの圧倒的な力の前になす術のないソーとロキ。2人は宇宙の辺境サカールへ飛ばされてしまう。サカールではこれまでの身分は関係ない。一回の剣闘士に身を落としたソーがここから脱出するためには、闘技場で勝ち続けるしかない。天性の才能を活かして勝ち進むソーの前に、コロシアムの英雄が立ちはだかる。その正体は、ソコヴィアの一件以来姿を消したハルクだった。ハルクは、自分の存在が恐れられる地球よりも、強さが称えられるサカールでの暮らしを心地よく感じていた。しかしソーはハルクに語りかける。それは強さではない、と。すべてを奪われた者たちで結成したチーム「リベンジャーズ」で、ソーはアルガルドへの帰還、ヘラとの再戦を試みる…。 

 

<見るべきポイント>
『シビル・ウォー』では不在だったソーとハルクはどこで何をやっていたのかが語られる作品。また、マイティ・ソー/ダーク・ワールドのラストで、オーディンはロキが化けた偽物であることが分かりますが、本物のオーディンはどうなったのかも明らかになります。

残念なことに、ジェーンとソーは別れてしまった模様。

ソーは、ソコヴィアでの戦いの後、残りのインフィニティストーンの在りかを求めて宇宙を旅しますが、有力な情報を手に入れることはできませんでした。

ハルクは、地球からできるだけ遠くに行きたいと願い、辺境の惑星サカールにたどり着きます。あれだけ強さを誇ったハルクが、自分を嫌う人たちが多い地球はイヤだと言います。そんな弱っているハルクを力強く励ますソー。『エンドゲーム』では、今度は弱ってしまったソーをハルクが励ますことに。

ソーはオーディンから教わります。アスガルドとは国のことではなく、民のことであると。王として、何を大切に考えなければならないか、ソーは学ぶことになり、この教えがあったからこそ、圧倒的な力を持つヘラへの対抗策を考えつくのです。

ソーとロキが真の和解を迎えるシリーズ3作目。「お前は本当はすごい奴なのに」とソーから認められたことでロキのわだかまりが解けていく展開は必見。ロキが本当に欲しかったのは王位などではなく、敬愛する兄ソーからの信頼だったのかもしれません。

兄弟の和解、アスガルドの新たな船出とハッピーエンドで終わるはずですが、ラストシーンではサノスの船が現れ、『インフィニティ・ウォー』のプロローグにつながっていきます。

小ネタでいうと、サカールの明主グランドマスターと、"コレクター"は兄弟という裏設定があります。

 

 

18作目『ブラックパンサー

<ストーリー>
『シビル・ウォー』での爆破テロにより、国王ティ・チャカが死亡したことにより、息子であるティ・チャラが王位を受け継ぐことになった。しかし、ワカンダ国では血縁は王位継承の1つの条件に過ぎず、伝統に則った試練に打ち勝たなくては王とは認められない。若き王ティ・チャラの前に、王位継承権を持つ謎の男が現れる。彼の名は、ウンジャダカ。ワカンダ王国の闇の部分が生み出した王子であった。"キルモンガー(死の商人)"と異名を持つ彼の手によって、長年、秘密とされてきたワカンダ国の秘密が明かされようとしていた…。

 

<見るべきポイント>
作品としては、MCUの他の作品とのクロスオーバーはほとんどない。ワカンダ王国におけるライオンキングのような物語です。アフリカ=後進国といったイメージがある私たちですが、実は超科学が進んでいることを隠しているという逆転発想が面白い作品。次回作『インフィニティ・ウォー』で決戦をくり広げるワカンダ王国と登場人物たちの相関を把握するためにも見ておくべき。

ラストシーンでは、ヒドラからの洗脳が解けたバッキーが登場。

 

 

19作目『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

<ストーリー>
ザンダー星が壊滅。かつてクイルがロナンから奪い返したパワー・ストーンはサノスの手に渡った。サノスはアスガルドから脱出する避難船ステイツマンを拿捕。ロキを殺し、スペース・ストーンを手に入れる。さらに、サノスの手下たちは地球に進撃。ドクター・ストレンジが守るタイム・ストーン。ヴィジョンが持っているマインド・ストーンを狙う。ドクター・ストレンジを守るのは、アイアンマン、スパイダーマン。絶対せ絶命のヴィジョンを守るために駆けつけたのは、国際指名手配中だったキャプテン・アメリカとその仲間たちだった。サノスの故郷であるタイタンと、ワカンダ王国を舞台に、インフィニティストーンをめぐる最大の戦いが幕を上げる…。

 

<見るべきポイント>
アベンジャーズで存在が明らかになったラスボスがついに進撃を開始する『インフィニティ・ウォー』。ここまでの18作品をすべて観ておくと、それぞれのインフィニティストーンの役割と保管場所が分かって展開を楽しめるでしょう。

本作の見どころは、『シビル・ウォー』よりしばらく姿を隠していたキャプテン・アメリカが登場するくだり。やっぱりキャップがいないとアベンジャーズは締まりません。

ラスボスであるサノスについても要チェック。よくある悪役のように、全宇宙の支配といった野望をサノスは抱いていません。彼には彼の大義があるのです。それは、宇宙という限りある資源しかない場所に対して人が多すぎる。だから、争いが生まれ、貧富の差が生まれる。だとしたら、そもそも人を減らせばいい。人口の増加によっていずれ崩壊する宇宙のバランスを整えるために、サノスは虐殺王の汚名を着てまで、インフィニティストーンを集めようとしていたのでした。

サノスの無双の強さは、信念に裏付けられたものなのです。

とにかく、アベンジャーズたちは必死の抵抗を試みますが、サノスの快進撃を止めることはできず、完全敗北してしまいます。

ラスト、世界中の人たちが消えていく中、ニック・フューリーは年代物のポケベルを起動させます。そこに映ったロゴはキャプテン・マーベルのもの。そのポケベルがニット・フューリーとキャプテン・マーベルにとってどんなものなのか。それは、キャプテン・マーベルで語られることに。

 

 

20作目『アントマン&ワスプ

<ストーリー>
『シビル・ウォー』にて、ハンク・ピム博士に許可を取らず、キャプテン・アメリカ側に着いたことでアントマンの存在は世界に知られてしまう。キャプテン・アメリカが国際指名手配となり、その仲間たちは皆、逮捕されてしまうことに。スコットは司法取引を持ち掛け、2年間の自宅待機、ハンク・ピム、ホープヴァン・ダインをはじめ、キャプテン・アメリカたちとの連絡を一切禁止されていた。スコットのせいで、ピム博士とホープは国際指名手配となってしまったのだ。期日まであと5日。そんなある日、スコットは夢の中でピムの奥さんジャネットの記憶を見る。ただならぬ事態を感じたスコットは、禁止されているピムへの連絡を行ない、見た夢のことをづける。それは、ピムとホープが密かに開発していた量子トンネルの稼働によって生じた量子ねじれであり、スコットがジャネットの量子世界からの脱出のカギになると考えたホープによりスコットは拉致され、ピムとホープの料理トンネル開発を手伝わされることに。そんな時、量子トンネルを狙う謎のエージェントが現れる…。

 

<見るべきポイント>
アビー・ライダー・フォートソンが演じるスコットの娘キャシー。前作では前歯が抜けた顔が可愛かったのですが、本作ではさらに美少女ぶりに磨きがかかっています。パパにはしっかりしたパートナーが必要だと話し、「私がパートナーになってあげようと思っていたけど、ホープでもいい。あの人なら安心してパパを任せられるから」というシーンは必見。

間が悪くて、トラブルをよく巻き起こすけど、決めるときはしっかり決めるスコットのカッコ良さは健在。

タイトルの通り、本作は「パートナー」がテーマになっています。ホープが怒っているのは、アントマンスーツを勝手に持ち出してシビル・ウォーに参加したことではなく、参加を相談しなかったこと、誘わなかったことが分かるシーンは萌えます。「少なくとも私が一緒なら捕まることはなかった」。何の打ち合わせもしていないのに、アントマンとワスプの息のあったコンビネーションアーツは、スコットとホープが「お互いをしっくり来る相手」と感じている証拠でしょう。

おしゃべりのルイスが自白剤を打たれて、どうでもいい関係ないことをペラペラしゃべり出し、新しく立ち上げた会社が資金繰りで苦労して倒産寸前のことも話してしまい、従業員であるデイヴとカートがショックを受けるくだりは面白い。

ラストシーンでは、敵だったゴーストのために量子世界でヒーリング粒子を回収していたスコットが、『インフィニティ・ウォー』のサノスによって、ピム、ジャネット、ホープが消されため、量子世界に取り残されるところがエンド。しかしこの展開が、『エンドゲーム』の重要な展開につながるとは誰が予想できたであろうか。

 

 

21作目『キャプテン・マーベル

<ストーリー>
クリー人のエリート特殊部隊スターフォースの落ちこぼれ隊員ヴァース。彼女には、不思議な記憶があった。クリー星ではない別の場所で生きている自分の記憶だった。しかし。クリー人の上司や人工知能スプリーム・インテリジェンスからは気のせいだと言われ続ける。ある時、ヴァースはクリー人の宿敵種族スクラルが潜伏する星で捕まり、記憶の一部を探査される。なんとか脱出するものの、スクラルを追って辺境の惑星C-53に着陸する。そこは、1993年の地球だった。怪しい飛行物体がレンタルビデオ店に落下したという通報を受けてやってきたのは、S.H.I.E.L.D.のエージェント、若き日のニック・フューリーとコールソン。彼らはヴァースとスクラルの戦いを目の当たりにし、地球外生命体の存在を信じるのだった。一方、ヴァースは、地球の景色に見覚えがあり、このことに疑問を持ったヴァースはニック・フューリーの協力を得て、数年前に事故で死亡したことになっている女性テストパイロット、キャロル・"アヴェンジャー"・ダンヴァースの存在にたどり着く。彼女は、インフィニティストーンの1つスペース・ストーンを守っているコズミックキューブの力を利用したライトスピード・エンジン搭載戦闘機のパイロットだったのだ…。

 

<見るべきポイント>
『ウインター・ソルジャー』で、失った片目のことを「信頼していたものに裏切られたときに失った」と語っていたニック・フューリー。その信頼していたものとは、ネコだったことが判明します。

スクラルの容姿はサノスによく似ているのですが、実はサノスはタイタン人とスクラルのハーフであるようです。

キャプテン・マーベルとして覚醒したキャロル・ダンヴァースは、二銀河先まで受信エリアが広がったポケベルをニック・フューリーに渡します。ピンチになったら助けを呼べと。「どうせ、私はすぐに押すと思っているんだろう?」と語ったニック・フューリーは、20年以上押すことはなかった。しかし、サノスによる"虐殺"がはじまったため、フューリーは自分が消える前にポケベルを作動。アベンジャーズ本部にキャロル・ダンヴァースが現れるところで本作は終わります。

当初、プロテクター計画という名前だったが、ニック・フューリーが、女性蔑視の時代にパイロットの座を勝ち取った"アベンジャー"であるキャロルの異名を参考に、アベンジャーズ計画と名前を変えました。

 

そして、『アベンジャーズ/エンドゲーム』へ