ほぼ日刊レトロゲームレイダース

おすすめエンタメ情報&笑い話を発信





ブラック企業に長年カラダとココロを毒された人間は、ホワイト企業で幸せになれない予感がする話。

f:id:retrogameraiders:20190223082831j:plain

転職しました。3ヵ月の充電期間を経て、ふたたび東京勤務をスタートした先週。「社会復帰できるのか」「朝、起きれるのか」「スーツが着れるのか」など、大きなことから小さなことまで心配事は尽きませんでしたが、結論、すんなりとはんなりと、東京勤務のサラリーマンに戻ることができました。ですが、不安がなくなったわけではありません。

 



すっごくいい会社です

どんな組織にも大なり小なり問題点はあるもので、100点満点の環境なんてあるわけがないのですが、この1週間の勤務で、新しい職場の様子もだいぶ分かってきた上での結論は、新しい転職先は「かなりいい会社」です。

 

オフィスはきれいだし、職場のあるところは都市部だけどそこまで人があふれていない洗練された街で、気の利いたオシャレなお店から昔ながらの庶民的な店まで揃っています。駅からダイレクトインなところも良いですね。

 

社員のみなさんは、若いし、挨拶は元気にするし、親切で、お笑い要素も忘れない。そして、ユーモアを大切にする雰囲気。何よりも、若い人も多いけど、みんな仕事ができる。レベルの高い会話ができる。

 

事業部としてはベンチャーなのですが、もともとの既存事業が超安定的に売上を立てられるストック型ということもあり、純粋なベンチャーよりも資金的にも精神的にも余裕がある点もGOODです。

 

そして、仕事の持ち帰りNG。泊り込みNG。休日出勤NG。昼ごはんは好きなタイミングで食べに行ってOK。18時をすぎたら自由に帰ってOK。仕事に必要な経費もボーンと用意してくれましたし、1日の仕事量も前職の8割くらい。

 

前職がそこそこ大企業だったこともあり、そして俺がその大企業体質に合わなかったため、次はベンチャー企業と決めていました。一方で、ベンチャー企業のダメなところも知っていたので覚悟はしていたのですが、完全に肩すかし。想像していた以上に、人が良い、風土が良い、環境が良い、ホワイト企業でした。

 

この幸せが恐怖…!

しかし、自分でも驚くくらい、ホワイトな環境を額面通りに受け取れない、喜べない自分がいるのです。すごくいい部分と出くわしても、「そうは言っても、本当は裏があるんだろ?」と疑ってしまったり。なんか、素直にホワイト環境を享受できないのです。ホワイトな環境を信じられないのです。

 

もっといえば、「少しでもブラックなところがあれば安心できる」なんて思っている俺がいます。自分からブラックさを作ろうと、仕事の持ち帰りを試みたのですが、システム的な妨害にあって持ち帰れませんでした。どうなっているんだ!?俺は何に不満があるのでしょうか!?

 

話が突然変わりますが。

 

漫画の『うしおととら』ってご存知ですか?この中に、秋葉流(あきば ながれ)というキャラが出てきます。彼は光覇明宗のお坊さんで、うしおととらとともに白面の者と戦う仲間だったのですが、終盤になって裏切って、白面の側についてしまうのです。その裏切りの理由は、純粋なうしおの目を見れなくなった、というもので、連載終了から20年以上が経っても、俺は秋葉流の裏切りの理由がよく分かりませんでした。

 

しかし、ここに来て分かった気がします。新しい職場の人たちは、なんか正しい気をまとっているのです。それはとても尊いこと。何も間違っていません。経営者や上司ときちんと意思の疎通をして、自分が正しいと思ったことを日々の仕事に落としている。その姿が、俺には眩しいのです。眩しすぎる。あまりにも純粋で輝いているからこそ、自分の黒いところ・暗いところを意識せざるを得なくて苦しい。ブラック環境なら見えなかったものが明るい世界では見えてしまう。見たくない。見せたくない。こういう苦難がこの世界にはあったのかと、驚愕せずにはいられません。

 

前述した自分でブラック環境をつくるために仕事を持ち帰ろうとした行為。あれ、秋葉流と大して変わらないですよ。そう、俺は秋葉流だったのです。平静が終わる年によってようやく、俺は秋葉流の苦悩を、言葉ではなく、魂で理解しました。

 

長年、ブラック環境に身を置いた俺には、カラダとココロに沁みついた黒い何かがあって、それが俺を苦しめていく予感がしています。杞憂かもしれません。杞憂ならいいと思っています。時間が経てば、消えていくものかもしれません。でも、洋服でも落ちない沁みってありますよね。ブリーフのアレとか。みんな真っ白いブリーフを履いている中で、1人だけワンポイントがあるブリーフを履いていることは悟られたくないじゃないですか。だからたぶん、ATフィールドを全開にすると思うんですよね。強力な拒絶じゃないですか。それに、常にかけられるプレッシャーが大嫌いだったのに、そのプレッシャーがないと自分の中の野生が失われていくような気もしていて。俺が少しずつ緊張感のないダメ人間になっていくような気もしていて。なんか怖い…!

 

ホワイト企業に1週間身を置いて感じた、ぜいたくなこと言っているかもしれないけど、これが俺が今感じている不幸もしくは苦労の予感です。