ほぼ日刊レトロゲームレイダース

レトロゲームについて、ほっこり&もっこりする思い出話と雑談多め



【レトロゲームの話】『忍者くん』と、美少女と、おウチにお呼ばれの話。(前編)

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『忍者くん 魔城の冒険』は、UPLが開発したアーケードゲームです。縦4画面のマップを縦横無尽に飛び跳ねて敵を倒していく、忍者らしい空中戦がイカします。

 

ファミコン版はジャレコが移植を担当。完全移植ではありませんでしたが、雰囲気は伝わる出来だったと記憶しています。

 

 

 

これは、小学生の頃の話。

苦労してファミコンを手に入れた私は、スクールカーストにおいてようやく『市民』に昇格を果たしていました。

 

『市民』って何ぞや?という疑問にお答えします。いつの時代もそうですが、子どもの世界は大人社会の縮図です。小学生ならではのマウンティングの要素がありますが、上流階級(上位2割)市民階級(中間6割)下層階級(残り2割)といった、区分けができているものでした。

 

私が小学生だった頃、ファミコンブームによって一気にビデオゲームが子どもたちの間に広まり、アニメ、マンガとともに共通の話題となり、「ファミコンを持っている」ということが1つのステータスになっていたのです。

 

ちなみにディスるつもりはないのですが。親が間違えてSEGAのSG-1000を買ってきちゃった、いわゆるセガユーザーは、下層・異端扱い(の雰囲気)になっており、本人たちもファミコンユーザー勢とキョリを置き、同士でつるんでレジスタンス活動にいそしんでいました。

 

何が言いたいかというと、「ファミコンを持っている」ということで、クラスメイトと共通の話題を持つことができ、交友関係が広がっていくという側面が当時の小学生社会にはあったのです。

 

『スターウォーズ』に例えると、これまでファミコンを持っていなかった私は、友達との会話にもあまり入り込めない状態。砂の惑星タトゥイーンで遠い銀河の星々に憧れを募らせる少年でした。しかし、ファミコンの存在はミレニアム・ファルコン号、カセットはハン・ソロ、ACアダプターはチューバッカであり、一気に遠い銀河の星々にまで旅することができる…これくらいの可能性の広がりがあったのでした。

 

そんな私は、これまでの鬱憤を晴らすかのように、ファミコンの話題でクラスメイトたちと親交を深めていました。

 

そんなある日、ファミコン仲間のビッグス(仮名)ウェッジ(仮名)『イー・アル・カンフー』について語り合っていると、私に話しかけてくる者が。

 

「ジョーンズくん。ゲームにくわしいんだよね?」

 

それはクラス1の美少女、キャリー(仮名)でした。キャリーはガチの美少女であり、『キック・アス ジャスティスフォーエバー』時のクロエ・グレース・モレッツ並みの神の芸術。当然、彼女はスクールカーストでは上流階級です。私とビッグスとウェッジは思わず「おっふ」と唸りました。

 

「『忍者くん』ってファミコンゲーム知ってる?難しくてよく分からないの。教えてくれないかな。今日ウチに遊びに来ない?」

 

「お呼ばれ」である。

 

 キャリーの家は子どもの目から見てもお金持ちであり、女子の中でもキャリーの家に呼ばれた子は少なかった。(ごめんね。ウチの親うるさくて、あまり友だち呼べないの)と彼女が言っているのを聞いたことがありました。

 

ゆえに、これはレア中のレアイベント。しかも、彼女の方からのご指名です。

 

どれくらいすごいことか、『課長 島耕作』で例えると、島が憧れていた中沢喜一さんが取締役末席から35人ごぼう抜きで初芝電産社長に任命されたのと同等くらいの快挙であります。

 

「い、いいぜ」

 

努めて、冷静に、私はうなづきました。「じゃあ、放課後ね」という彼女のバイバイは、殺人級の可愛さ。ビッグスとウェッジのほうをみると、2人の目には

 

ビッグス (俺も行きたい!口添えしてくれないか?)

ウェッジ (俺たち、友達だよな!?)

 

というメッセージが感じられましたが、私は無視しました。世の中には二種類の人間しかいません。「チャンスを無駄にする人間」と「チャンスは最大限に活かす人間」。私はシャアのほうです。

 

かくして、私はクラス1の美少女といっしょに下校することになり、そのまま彼女のウチに訪問することになりました。白亜の大きな家で、重厚そうなドアはもちろんのこと、ドアの取っ手から意匠が施されています。

 

しかし、このときの私は知りませんでした。この大きな家で、この後、私が魔城の冒険を自身で体験ことになろうとは。

 

クツを脱いで、「お邪魔しまーす」と挨拶すると彼女は言いました。

 

「気にしないで。今日、家に誰もいないから」

 

えっ、それって、どういうこと?

 

チャンスはチャンスだけど、一気に非モテゲーム男子にはキャパオーバーすぎるシチュエーションに、私は戸惑いを隠せませんでした。どうなる、どうする、ジョーンズ少年!

 

後編につづく