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【その道のプロから話を聞く】水に流せない問題を解決に導く。トイレコンサルタントという仕事の話。

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仕事柄いろいろな仕事の人と出会い、さまざまな話を聞かせてもらっています。今回は「トイレコンサルタント」という仕事について。みなさんはこのような仕事があるということをご存知でしょうか。

 

 

 

ブルーカラー?いいえホワイトカラーです

目の前に現れたトイレコンサルタントは、私が想像していた――バリッとしたスーツを着て片手でタブレットPCを持っているような人――ではなく、青い作業着を着て片手にスッポンを持っている――水のトラブルに強そうなオッサンでした。私は失礼と思いながら「お仕事はブルーカラー寄りなんですね」と聞くと、「いいえ、ホワイトカラー寄りです」と訂正されました。なるほど。プライドの高さはたしかにコンサルタントっぽいなぁと。

 

トイレコンサルタントとは何をするのか。カンタンにいうと、「お店のトイレの現状を判断し、問題解決の方法を提案する仕事」です。

 

例えば、最近コンビニのトイレがキレイになったと思いませんか?実はこれ、トイレコンサルタントの暗躍の成果なのだとか。

 

実はここには、集客のための重要な戦略が隠されているのです。日本人はトイレがキレイなお店とトイレが汚いお店があった場合、多くの人がトイレがキレイなお店を選ぶそう。街中にコンビニがたくさんできている中、差別化が難しくなっているからこそ、トイレでも差別化しようという動きなのです。セブン-イレブンの新しい店舗の場合、男性用の小便器と男女兼用の大便器の2つが標準装備されているお店があります。あれは、トイレを使いたい男性とトイレを使いたい女性の2人が来た時、トイレが2つあるとすぐに使える可能性が2倍になるわけですから、当然トイレが1つの店よりも入店しようと思うわけで。「入りやすいお店」と第一想起される存在になることが差別化につながっていくわけなのでした。

 

トイレコンサルタントはどういう仕事をするのかというと。現在のトイレの状況を診断し、クライアントの要望に応じてどのような改善をするべきかまでを考えていくのだそうです。

 

例えば、室内がにおう場合。においの原因を特定して、直すための工事を提案したり。室内が暗いと判断したら、壁紙や照明の交換を提案したり。先のコンビニのトイレの場合は、本部からの要請でトイレコンサルティングが行なわれたようです。調査のために、トイレの床に膝をついたり、便器の穴の奥を潜望鏡みたいなものでチェックするため、仕事がしやすいようにスーツではなく作業着を着ているとのことでした。ちなみに作業着がブルーなのは清潔なイメージを出すためなのだとか。なるほど。

 

日本人のトイレへのこだわりはちょっと特殊なようで。トイレコンサルティングは主にお店での仕事がメインだったそうですが、最近では会社のトイレ依頼も増えているという話でした。

 

トイレが綺麗だと会社に対しての印象も良くなる、というデータがあるそうで、新卒入社の内定率、既存社員の離職率に好影響があるのだとか。すごい。トイレにこれだけの御利益があるということは、本当にトイレには神様がいるのかもしれません。

 

ちなみに、トイレコンサルタントとして活躍するためには、特別な講義と試験を受けて認定証をもらう必要があるそうです。これは国家資格ではなく、民間企業が作った資格なんですけどね。

 

トイレコンサルタントたちの前職をお聞きすると、クラシアン、パイプおじさん、水のレスキュー…と、やっぱり水道工事に関わられていた人たちが多いようでした。転職理由について聞いてみると、「ブルーカラーの仕事からホワイトカラーの仕事になりたかった」というものが多かったです。なるほど。水のトラブル対応は受け身の仕事ですが、トイレコンサルティングは予算次第ではあるもののこちらからの提案が肝になる仕事ですからね。

 

とはいえ、「トイレコンサルタント」という名前だと、イメージと実情がかい離している印象があり、敷居が高い仕事と見えてしまうという欠点があります。「じゃあ、ジョーンズさんはどんな職種名がいいと思いますか?」と聞かれたとき、

 

ベンキマン

 

…が一番最初に浮かんだネーミングでしたが、絶対怒られるので言いませんでした。