ほぼ日刊レトロゲームレイダース

レトロゲームについて、ほっこり&もっこりする思い出話と雑談多め



会社の女子寮であった不思議な話。

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女子寮――それは男にとって魅惑の箱庭。私が新卒で入社した会社にもこの女子寮が存在していました。築20数年、そこそこ歴史のあるこの女子寮には、不思議が話がいくつかあってそうで。男子禁制のはずなのに、寮生のゴミの中に使用済みのコン○ームが入っていたとか(笑)。冗談はさておき。今回はこの女子寮で実際に起きた心霊系のお話をご提供します。

 

 

消えた開かずの間

事の始まりは、部長の武勇伝です。部長が若いころ、その女子寮に忍び込んでは、女性社員とイチヤイチャしていたという話を、私は幹部会議後の飲み会でお酒を飲まされながら聞かされていたのでした。

 

「そういえば、ジョーンズ。
 お前、Aちゃんと付き合っているんだって?」

 

Aちゃんとは私の同期であり、おなじ部門で働いている女の子です。部長の部下でもあります。私は当時Aちゃんと付き合っていたのでした。そんなAちゃんは件の女子寮に住んでいたのです。私が「はい。付き合っています」と答えると、部長はアルコールで赤くなった顔をニンマリさせて言いました。

 

「夜ばいするなら部屋を間違えるなよ?
 あそこには"開かずの間"があるからな。その部屋は出るぞ」

 

部長の話はこうでした。

その女子寮には1部屋使われていないそうで、そこは"開かずの間"といわれているそうです。なんでも、以前その部屋に住んでいた女性社員が、首を吊って自殺したとか。その女性は同期の男性と付き合っており、女子寮のその部屋で逢引きをしていたそう。しかし、男性の方が忙しくなってなかなか会いに来ることができず、"他に女ができたんじゃないか"と悲観した女性はノイローゼ気味になり、思い詰めてしまった…とのこと。以来、その部屋では「幽霊が出た」ということが起きたため、部屋を封印してしまいました。

 

「…なんだってさ。あるの、開かずの間?」
「ううん。そんな部屋ないよ」

 

Aちゃんとは毎晩1時間くらい電話で話すことを日課にしていました。そこでこの話を振ってみたのですが、Aちゃん曰く、そんな部屋はないとのこと。酔っ払った部長に一杯くわされたのかな?とその時は思いました。

 

翌日、Aちゃんはお店に出勤(勤めていたのは小売業の会社です)。同じ売り場のベテラン男性社員ヒジカタさんとの仕事中の無駄話のネタとして、この話を振ってみたそうです。女子寮の開かずの間の話って知っていますかー?という感じで。

 

「ああ、知っているよ。1階の7号室だろ?」

 

ヒジカタさんはなんなく答えました。「有名な話だよ」とも。くわしく話を聞いてみると、部長が話したことと同じ内容。つまり、女子寮の開かずの間とは、1階の7号室のことであり、今、女子寮には開かずの間なんてものは存在せず、7号室は誰かに使われているのでした。奇しくも就職氷河期。大即学生は働き口がなくて大量に小売業に流れていたため、受け入れのために開かずの間の封印は、人知れず解かれてしまっているようでした。

 

ちなみにAちゃんの部屋番号は1号室。ひそかに「ほっ」としたそうです。

 

「ねえ、7号室の人に伝えたほうがいいかな?」
「いやー、わざわざ、不安にさせるようなこと言わなくていいんじゃない?」
「そう、だよね」
「うーん。それとなく聞いてみるとか」
「ふわぁ。クスリが効いてきた。そろそろ寝るね」
「うん、おやすみ」

 

そのころ、Aちゃんは睡眠導入剤を服用していました。もともと眠りが浅かったことと眠れない状況があったからです。その眠れない状況とは、女子寮で逢引きするカップルたちの足音。Aちゃんの部屋は1階の端なのですが、すぐ外には2階につながる非常階段があり、この階段が男性社員たちの夜ばい用の侵入経路だったようで。トンカントンカン…と上り下りする音がうるさくて眠れなかったそう。はた迷惑な話です。

 

Aちゃんは9ヵ月ほどでその女子寮を出ることになりました。理由は異動です。自宅から通いやすいお店に異動になったため、女子寮にいる意味がなくなったのでした。

 

ヘヤのドア横にあるネームプレートからAちゃんは自分の名前が書かれた紙を引き抜きました。すると、前に住んでいた人のネームプレートの紙が出てきました。

 

 7号室 前園○○子

 

7号室?自分が住んでいたのは1号室ではないか?7号室っていったら、例の開かずの間じゃん。と思ったAちゃんはさりげなく寮長のおばさんに聞いてみました。すると、リフォームした際に、1号室から7号室の順番を逆にしたとのこと。つまり、1号室だと思っていた部屋は本当は旧7号室であり、幽霊が出るという開かずの間ということ。Aちゃんはずっと開かずの間に住んでいたのです。

 

しかし、幽霊を見たことは一度もなかったそう。「必ず出る」なんてのはさすがにガセだったと思われました。しかし、今度は私のほうで、ベテランの男性社員ヌマヅさんからこんな話を聞いたのです。

 

「女子寮で亡くなったのは前園って女の子でさ。最後のほうはノイローゼっぽくなっちゃって。彼氏を部屋で待ちきれなくて、外の階段でずっと待っていたんだってさ。でも、イライラしてきたのか、登ったり、降りたり、そういうのを毎晩くり返してさ。それから部屋で首吊っちゃったとか。それ以来、ずっと聞こえるらしいんだよ。前園ちゃんが彼氏を待つための階段を上り下りする音が」

 

深夜1時すぎ。Aちゃんの話と情報交換して、真実がわかって、私たちは電話を通じてお互いがゾッとしたのを感じました。

 

Aちゃんの睡眠妨害となっていた足音は、恋人同士の逢引きの足音じゃなかったようです。引越しの前夜まで、その音は毎晩響いていたということでした。