ほぼ日刊レトロゲームレイダース

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【思い出の家族旅行】お母さんが病気で倒れたため、家族旅行が小学生の息子とお父さんの2人旅になった話。

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去年のことです。

ウチの奥さんが大型連休を前に、病に倒れてしまいました。数日前から顔色が悪く、「お腹の調子が悪い…」と言っていたのですが、ついにまともに立っていられなくなり、私は会社を休んで奥さんを病院に連れていくことに。診断の結果は「緊急入院」。てなわけで、奥さんの職場に連絡を入れたり、息子を学童に迎えに行ったり、突然慌ただしくなって迎えたゴールデンウィークでした。

 

実は、ゴールデンウィークには中部地方にある実家の墓参りを兼ねた旅行が予定されており、本来なら私+奥さん+息子の3人で行く予定だったのです。しかし、奥さんが抜けては開催はムリ…と思われたのですが、あえて行くことにしました。

 

 

 

 理由は、親子2人の旅行なんて、なかなか行けるものではありません。息子に聞いたら「面白そう!」とのこと。幸い、奥さんは点滴を打つはめにはなりましたが、命に別状はないということでしたので、「2人で行くの?」「小学生と付きっきりは大変だよ?」「少しは私の日々の苦労を思い知るがいい(笑)」ということで、男だらけの一泊二日の2人旅行は幕を開けたのでした。

 

最初のトラブルは寝坊。5:30起床の予定でしたが起きたのは7:00。しかも私が息子に起こされるという始末。ふだん、当たり前のように、キッス付きで笑顔で起こしてくれる奥さんは聖母のような存在であると実感。そして、「お父さん、大人のくせに寝坊して恥ずかしくないの?」と息子からの攻撃に軽くヘコみます。

 

しかし、90分の遅れなど余裕で取り戻せるもの。私は最速30分で身支度を終えられるのですから。…と思っていたのですが、息子がセットだと話が異なりました。ご飯を用意して、洋服を用意して、急かしているのにテレビに面白い映像が映るとすべての動作を停止して画面を凝視する息子。ぜえぜえ、制御がきかない。そんなこんなで、たっぷり時間をかけて自宅を出発。予定に対して、時間が縮まるどころか、どんどん予定から遅れていく。ひーっ。午前中に、向こうに着けるかなぁ。心配だなぁ。

 

「あっ、忘れ物した!」。最寄駅の電車に乗って、息子がいきなり叫びました。聞けば、電車の中で読む予定だった絵本をリビングに忘れてきたとか。マジかよ。忘れないように目立つところに置いておけと指示を出したのですが、普段やらないことだから2人とも意識から抜けてしまったらしい。「戻る!」と言い張る息子をなだめて、お父さんの苦難の旅はつづきます。

 

自宅は郊外にあるので、東京に出るには1時間近く電車に乗っていく必要があるのです。運よく席に座れたので、私は仮眠を取ろうと思いました。ウトウトと、心地よい眠りに意識が沈んでいき…ガン!頭を窓ガラスにぶつけられました。犯人は息子です。「お父さん!お父さん!あれ見て!あれ何?」。窓の外をしきりに指さして喚いています。なんだろうね、あれ。お父さん、よく分からないなぁ。「えーっ、大人なのに分からないの?大人なんだから調べて子供に教えなさい!」。めんどうくせえな。スマホでポチポチと。おっ、なるほど。そういうものなんだ。ねえ、分かったよ。「うるしゃい!僕の好奇心は、もう別のモノに移っているの。黙ってて!」。おいおい…。まあ、いいや。ちょっと寝ようっと…ガン!「寝るなー!」。私はふたたび息子に起こされることに。

 

(2人で行くの?)
(小学生と付きっきりは大変だよ?)
(少しは私の日々の苦労を思い知るがいい(笑))

 

奥さんの言葉が頭をよぎります。これか!たしかにツライ。しかし、旅はまだ始まったばかりなのでした。

 

東京駅

ようやく東京駅に着いた私と息子。しかし、ゴールデンウィークというシーズンのため、駅構内は多くの人たちで溢れかえっています。当然、きっぷ売り場も混んでいるわけで。こうならないように、早く起きていく予定だったのに。くそっ。よし、息子と二人分買わなくては…とふり返ると、息子がいない。ガビーン。まさかの迷子。さっきまで手を繋いできたのに。ちょっと目を離したスキに、好奇心のまま、どこかに行きやがって。

 

どうしたものか。重い荷物を持って、むやみにこの広い東京駅を動き回るのは、正直しんどい。息子がここに戻ってくる可能性もある。その時、私がここにいないほうが、二人が出会わない確率が上がるのでは?ウチの息子はこんな時に、戻ってこれるタイプなのか。そうじゃないのか。奥さんだったらどうするのか。うーむ、悩む。その一方で、ちょっと目を離したスキにそのまま子どもがいなくなるという事件もある。どうすればいいんだっ。

 

と思っていたら、視界の向こうに、泣いている小学生を発見。息子だ。なんか20代のお姉さんに「どうしたの?」とか心配されている。急いで近づいて、お姉さんにお礼を言い、息子に、こら、勝手に離れちゃダメじゃないか、と怒る。息子は泣きながら、「だって、だって…、グスッ、東京ばななのしっぽが、可愛かったんだもん、グスッ」というわけで、看板の前でしばらく見ていたらいつの間にか私が消えていたらしい。なんだ、その行動。女子か。まあいい。ここで簡単に見つかったのは僥倖である。もう離れるなよ。というと、息子はギュッと私の右手を掴んだのでした。鼻水がついていて、チト汚かったです。

 

新幹線

予定がどんどん遅れていく中、新幹線の自由席に座れることに。新幹線の自由席は、先頭二号車の前の入り口に並ぶのが吉です。二人掛けシートの窓際に息子を座らせ、ようやく一息。「ねえねえ」。息子が声をかけてきます。「僕、お腹すいちゃった」。あれ、朝ご飯、あんまりいらないって言ってたじゃん。「あの時は、お腹すいていなかったんだよ。今はペッコペコ」。・・・。「駅弁食べたい」。・・・。いやぁ、さすがにもう買いに行っている時間がないなぁ。そういうことはもっと早く言ってほしいなぁ。そのうち、販売員さんが通るから、そこでお弁当買おう、な?「違うよ、お父さん。僕は、たくさんある駅弁の中から、こだわりの一品を、選びたいんだ!」。

 

めんどくせぇ!\(*`∧´)/

 

とか言っておきながら、結局、販売員さんが売りに来たカツサンドで満足して、新横浜を過ぎたあたりで息子は寝てしまいました。つ、疲れる。寝顔は天使なのに。私もひと眠りしようかな…と思って「はっ!」。また、朝の二の舞にならないよう、今度はちゃんとスマホのアラームをセット。セット予定時刻は、到着予定の15分前。これで、今度こそ、ゆっくり…ZZZ…ガンッ!いてえな。「お父さん!寝ないで!ねえ、あれ、なんて山?」。知るかーい!

 

目的地

苦節数時間。ようやくお墓のあるお寺までやってくることができました。すでに息子の世話で疲労困憊の私ですが、本当の仕事はここから。この旅の主目的は「墓参り」なのですから。しかし、読者の方々が想像している墓参りとちょっと違うのは、諸事情によりお墓が遠方にある当家の墓は、草ぼうぼう状態のため、盛大な草むしりを行なわなければならないということ。5月とはいえ、カンカンと照りつける太陽。体力が無尽蔵にある小学生の息子。ひーっ。私は声にならない悲鳴をあげました。

 

しかし、意外な発見がありました。息子に手袋を与え、「君は東側の草むしり隊長だ。任せてもいいかな?」と聞くと、「かしこまりましたっ!」と息子は、その無尽蔵の体力を草むしりに費やしてくれるともに、いい働きをするではありませんか。私はのこぎりで伸びきった枝を剪定しなければならなかったので、西側の草むしりも息子にあげると、「かしこまりましたっ!」と、ニッと笑顔。

 

4~5時間はかかるかな?と思っていた草むしりは、2時間ちょっとで終わりました。「お父さん、これ」。お金を渡して2人分の飲み物を買ってきてとお願いした息子が帰ってきて、アクエリアスの500mlペットボトルを私に差し出します。「水分補給が必要です」。たしかにその通り。君は何を買ったんだい?息子は、プリンシェイクを見せて笑います。おう、水分補給。ともあれ、汗を拭いて、袋に入れた草を捨てて、墓石をきれいにして、線香をあげて、お参りします。目を開けると、息子は私よりも長く、お墓に手を合わせていました。何を思っていたの?と聞くと、「お母さんが早くよくなりますようにって、ご先祖様にお願いしてた」。ほほう、お父さんとほぼいっしょだな。

 

よるごはん

予約したビジネスホテルは夕食が出ません。適当に近くで店を見つけて食べようと思ったのですが、不覚。ホテル近くには、大人向けのお店が立ち並び、子連れで入れるお店が見つかりません。しばらく2人で歩いて探しましたが、奥に行けば行くほど、大人な街になっていったので、近くのコンビニでお弁当を買い、ホテルの部屋で2人で食べることにしました。

 

せっかくの旅行だし、もう少しおいしいものを食べさせてあげたかったんだがなぁというと、息子は「ボク、コンビニのお弁当好きだよ。おいしいし」とのこと。さらに付け加えます。「お父さん、知らないの?ごはんっていうのは、何を食べるかじゃなくて、誰と食べるかでおいしさが変わるんだよ」。おおっと、なかなか真理をつくじゃないか。

 

そりまま部屋でテレビを観ていると、息子はいつの間にか寝てしまいました。やっぱり寝顔を天使です。部屋にはベッドが2つありましたが、息子はアクロバットな寝相をするものですから、いっしょのベッドに寝て、片方は私の身体で落ちないようにブロック。もう片方の床には、もう1つのベッドの掛け布団をマット替わりにして、落ちても大丈夫なようにしました。これで安心。しかし、慣れない場所で寝た息子は緊張していたのか、その夜はツタンカーメンのミイラのように姿勢正しく寝ていたのでした。

 

おわり

かくして、男だらけの2人旅行は終わりました。小学生の息子と常に向き合う奥さんの苦労が身に染みてわかったとともに、いつの間にか成長した息子を知ることもできました。これもすべて、子育てを任せている奥さんの努力の賜物です。感謝感謝。

 

奥さんの入院はゴールデンウィークいっぱい続き、旅行から帰った後も、男だらけの2人生活がしばらく続いたのですが、その話はまたの機会に。上手くいかないことの方が多かったのですが、息子との距離は縮まった気がする仕事人間のお父さんでした。

 

男同士の2人旅は、お互いを知るいい機会。こんな家族旅行もあったというお話です。