ほぼ日刊レトロゲームレイダース

レトロゲームについて、ほっこり&もっこりする思い出話と雑談多め



【レトロゲームの話】『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』は、果てしない世界への遥かなる旅路だったなー的な話。

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今週のお題「ゲームの思い出」

前回も書きましたが、『ドラゴンクエスト』はファミコン少年少女たちにPCで流行っていた「RPGの面白さ」の伝えるために作られたゲームでした。

 

『I』が「RPG初心者向けの入門」だったことに対して、『II』は「もう一歩進んだRPGの面白さ紹介」という位置づけになります。

 

 

 

 具体的には、

 

・主人公のパーティ制
・複数の敵が出てくる戦闘の戦略性
・レアアイテム探し
・広大な世界を歩き回る長時間プレイ
・隠されているものを探す

 

といった点が、前作から追加された要素です。

 

先んじていたPCゲームのRPGからすると、「いや、これこそRPGの醍醐味でしょ!」といえる部分であり、この作品によって日本中にRPG大好きファミコン少年少女が製造されていくことになりました。

 

ドラゴンクエストの凄さは、「あえてメッセージで伝えることなく、ユーザーに分からせる」という見えない導きにあると私は考えます。

 

本作の主人公でありプレーヤーの分身であるローレシアの王子は、スタート地点であるローレシアの城を出た途端に「IIの洗礼」を受けることになります。

 

それは、敵が複数で登場するということ。ドラクエはターン制バトルですから、敵が複数現れるということは、1ターンにこちらの攻撃は1回、敵が2匹なら2回攻撃を受けるという流れに。1対1のタイマン勝負だった『I』と異なり、よりダメージを受けないように倒す順番を考えないとヤバイ。

 

ということを、体験させることでユーザーに学ばせていくのです。

 

最寄りの町であるリリザの町がちょっと遠い点も計算されています。1対複数の戦いがある程度余裕を持って進められるようになるまでの練習期間を課しているのです。そのタイミングで出てくるのが、毒攻撃を持つバブルスライムの登場。ステータス異常が地味にヤバイこと、遠征には薬草・毒消しといったアイテムが欠かせないということを、自然に学ばせていきます。

 

2人目の仲間であるサマルトリアの王子が、なかなか仲間にならないところも計算されており、このじらしプレイからのご褒美によって、プレーヤーは仲間になった時のファンファーレにエクスタシーを感じるのです。これは、ローレシアの王様がセリフで言っていた「同じロトの血をひく者を集めよ」をプレーヤーに魂で理解させるための仕掛けです。

 

サマルトリアの王子が参加したことで戦闘がラクになるかというと実はそうでもありません。「メリットもあったが、デメリットもある」ということを、プレーヤーは教えられます。

 

それは、サマルトリアの王子が弱いということ。1ターンにおけるこちらの攻撃回数は増えて戦力は増加したものの、当たる的が2人増え、弱いサマルトリアの王子が攻撃されすぎると、死亡して高い復活料を払わされることに。つまり、リーダーとして自分以外の仲間の状況にも気を配らなければならないことを、プレーヤーは悟るのです。

 

ストレス。やるべきこと・考えなければならないことが増え、ストレスが溜まります。しかし、サマルトリアの王子はなかなかのテクニシャンであり、レベルを上げていくと、HPや攻撃力が少しずつ上がるだけでなく、攻撃や回復呪文を使えるようになっていきます。今まで道具に頼っていた面で省コストを実現。そして戦闘のバリエーションが増えていく。なんて可愛い仲間なんだ!

 

ほら、ここにも、じらしプレイ→ご褒美です。

 

サマルトリアの王子との戦闘でのコンビネーションが試されるのは、銀のカギを手に入れてから海底トンネル→ムーンペタの遠征ではないでしょうか。ゲームバランスとしてここにも負荷が計算されています。なぜか? それは、3人目の仲間ムーンブルグの王女を仲間に加えるための動機形成と仲間になった時のエクスタシーのためです。

 

じらし方がサマルトリアの王子と違い、ラーのカガミ探しという絡め手で来ているところに、奴隷をトリコにするテクニックを感じます。

 

ムーンブルクの王女を仲間にすることで、パーティの戦力は大幅に強化されます。彼女の魔法攻撃は強力で、MP回復を想定した町周辺での仲間のレベル上げは2回目ということもあり、前回より比較的ラクに上がるように考えているようです。

 

が、ムーンブルクの王女はMPがなければ戦力としての価値を失います。ムーンペタ→西の砂漠→ドラゴンの角→ルプガナの大遠征は、集結したロトの子孫たちに与えられる1回目の大きな試練。あまりにも長すぎる行程ゆえに、何度も挑戦するはめになるでしょう。そして、この試練を乗り越えたとき、もはやどんな陸路も3人で歩いていける自信がつきます。

 

そんな一同に与えられるのは、行動範囲がさらに広がる「船」! いままで行けなかったところに行けるようになるアメとともに、どこに行けばいいのか分からなくなるというムチが与えられます。

 

いきなり試練に叩き落とすことなく、ルプガナのすぐ東にある陸地へたどり着くと、BGMは前作のアレフガルドのテーマに。何のメッセージを発することなく、「ここはアレフガルド」ということを伝え、プレーヤー心理として「ここを歩いてみたい」と思わせるところも、なかなか考えられています。

 

さて、船を手に入れ、アレフガルドを後にしたのち、いよいよゲームは大航海時代を迎えることに。世界地図を頭に叩き込まなければ、補給もままならず、全滅に即つながりかねません。しかし、戦闘不能キャラを復活させる世界樹の葉を手に入れられたり。見たこともない強力な武具を売っているお店を見つけたり。苦労した分報われる要素があるからこそ、前に進めたのでした。

 

探求(クエスト)。

 

ドラゴンクエストII』は、まさに探求の旅でした。前述のとおり、作り手の見えざるやさしい導きはあるにせよ、プレーヤーたちが自分で考え、試してみて、答えを見つけていく…。やらされている感覚ではなく、自らの足で進んでいく楽しさがありました。

 

探していたものは、その時々によって異なるものでしたが、ひょっとしたらLove Songだったのかもしれません。でも、歩んできたのは、間違いなく、この道、わが旅でした。