ほぼ日刊レトロゲームレイダース

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【レトロゲームの話】『英雄伝説III もうひとつの英雄たちの物語 白き魔女』は、ゲーム版の世界名作劇場になり得たのかどうかの話。

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1990年代中盤の日本ファルコム作品に垣間見える、迷い、あがきというものが、個人的に好きだったりしています。今回話題にしたい『英雄伝説III もうひとつの英雄たちの物語 白き魔女』は、その代表的な作品といえるかもしれません。

 

タイトルが長いのは、『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』という2部作の、物語的なつながりのない続編的な立ち位置にあったからです。

 

 

 

本作は「詩(うた)うRPG」というキャッチコピーで、ストーリーを売りしたRPGです。あまりネット上のゲームレビュー記事で触れられていないことですが、本作の大きな特徴は、主人公たちの旅自体にフォーカスした作りになっている点です。

 

主人公のジュリオとクリスの二人は、生まれ育った村のしきたりに則って、「巡礼の旅」という旅に出かけます。本作はその全行程を追いかけていくカタチ。村もフィールドもすべて等身大で描かれています。

 

つまり、フィールド上に「町」などのシンボルがある『ドラゴンクエスト』タイプではなく、『エメラルドドラゴン』のように広大なMAPが広がっており、すべての行程を歩いていかなければならないということ。『ファイナルファンタジー』が2001年に『X』でチャレンジしたことに、この作品は1994年で実現したともいえます。

 

「ストーリーが売り」という話をしましたが、ポイントはジュリオとクリスといっしょに、プレーヤーも長い巡礼の旅を追体験させるということ。

 

ちょっとした大人の世界を垣間見る旅のはずが、予期せぬ世界の危機とタイミングがあってしまい、20年前に巡礼したという白き魔女の導きを受けて、各地の問題を解決し、英雄と呼ばれるにふさわしい活躍をしていくジュリオとクリス。

 

英雄とは、血筋や特別な啓示を受けてなるものではなく、どこにでもいる普通の少年少女が、世界の危機に直面した時にどんな選択をできるか?にかかっている。そんなメッセージを感じるこの作品は、先の『ドラゴンスレイヤー英雄伝説Ⅰ・Ⅱ』にも通じるメッセージだった気もします。