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【映画レビュー】『アベンジャーズ:インフィニティウォー』――つまらないと言いにくい雰囲気があるが、ぶっちゃけ、同窓会的なところしか面白くないかも。

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 『アイアンマン』1作目からずっと追いかけているマーベル・シネマティック・ユニバース。今回は19作目。いよいよラスボスであるサノスが動き出して本格的な地球侵攻を行なうという物語。マーベル・シネマティック・ユニバース10周年の集大成といわれる本作は面白かったです。

 

たしかに面白かったのですが、「条件付きで面白い」が正確なところ。「単体作品としては正直あまり楽しめないのではないか(私は面白かったけど)」と、個人的に思っています。

 

 

 

何の前知識もない人のために解説をしておくと。

 

アベンジャーズって、アイアンマンやキャプテン・アメリカといったヒーローたちが集結してもっと大きな敵と戦うというイメージを持っていたら捨てていただきたいと思います。

 

そのフェーズはアベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン(2作目)』で終わっており、もう過去の話です。アベンジャーズの面々は、キャプテン・アメリカの3作目『シビル・ウォー』で分裂してしまい、チームとしては解散してしまっています。

 

事の発端は、『エイジ・オブ・ウルトロン』。マインド攻撃を受けたアイアンマン(トニー・スターク)とハルク(バナー博士)が、やがて来るであろう宇宙からの脅威(本作のボス・サノス)への対抗策として、インフィニティストーンを使ったマシン軍団ウルトロンによる防衛機能を作ろうとしたこと。結局この構想は、ウルトロンの自我の目覚めと暴走によって崩壊。ソコヴィアという国を半壊にまで追い込んでしまいます。

 

自らの失敗によって反省し自信をなくしたトニー・スターク。そのころ、世論の反発によって、アベンジャーズを国連の管理下に置くソコヴィア協定が打診され、トニーはこれに賛成。しかし、スティーブ・ロジャーことキャプテン・アメリカは反対。その理由は、組織に入ると本当に正しいときに力を使えなくなるから。トニーもそれには同意を示すものの、自分が冒してしまった過ちを受けて、強大すぎるチカラはある種の制御が必要と訴え、結果としてキャプテンと対立することに。

 

さまざまな思惑が交錯する中で、国連での爆破テロをキッカケに、アベンジャーズキャプテン・アメリカ陣営とアイアンマン陣営に分かれて、争わざるを得ない事態に発展。結果としては、テロ実行犯ウインター・ソルジャーを匿っていると思われていたキャプテン・アメリカの言い分が正しく、超人兵士計画で作られた殺人ソルジャーたちが世の中に放たれることは防がれますが。トニー・スタークの両親を殺した犯人が、ヒドラによって洗脳されたウインター・ソルジャーであることを知ったアイアンマンは激しく怒り、キャプテン・アメリカとアイアンマンの対立は修復不可能なものになってしまいます。

 

キャプテン・アメリカ側に付いたアベンジャーズは全員捕らえられて刑務所へ。責任を感じたキャプテンは彼らの脱獄を助け、彼らをブラックパンサーの国ワカンダへ亡命させることに。その事実によって、キャプテン・アメリカは堕ちた英雄として報道され、全世界に指名手配されてしまいます。

 

そんな内乱に関わらなかったヒーローが2人。1人はマイティ・ソー。彼は『エイジ・オブ・ウルトロン』でスカーレット・ウィッチに見せられた未来の中で、6つのインフィニティストーンが輝くガントレットに胸騒ぎを覚え、アスガルドに帰還。さまざまな世界に調査に赴いていましたが、父オーディンの死、姉ヘラの暴走によって辺境の星に送られてしまいます。そこで剣闘士として活躍しているハルクと再会。いろいろあって星を脱出し、アスガルドに戻ってきて、あるとんでもない方法でヘラを倒すことに成功するのでした。

 

で、何が言いたいかというと、

 

アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』以来、アベンジャーズの面々はいろいろと鬱になることが多くみんなバラバラで、ひさしくみんなで会っていなかったのです。そんなところに、最強の敵の降臨。ひさびさに全員が集まってくる同窓会が、本作の面白さの50%といえるでしょう。

 

もう50%が何かというと、最強の敵サノスです。これが分かりやすい悪役だったら話が早いのですが、1つの信念を持った男であり、その信念に基づいた全宇宙の人口を半分にするという野望のためにはどんな犠牲も払うカッコイイ男なのです。目的のためなら最愛の娘までも手にかけてしまう。そして心底落ち込む。観ているこっちまで可哀想な気持ちになってしまう、同情してしまう彼に対立するアベンジャーズは、むしろ敵に見えてしまうほど。サノスの圧倒的なチカラによって蹴散らされるのですが、それは大好きなヒーローたちなわけで。どっちに感情移入すればいいのか分からないくらい混乱。吐きそうなくらいの大混乱です。

 

本作は面白いんですよ。戦争には完全な善と悪なんて存在せず、双方に大義と正義がある。本作が描いているのはまさにそれで、これまで19作品によって存在が描かれてきたサノスにもきちんとした思いと使命があることが描かれ、アベンジャーズたちが今までやってきたことは本当に正しいことなのか?と問われる、かなり大人向けのヒーロー映画に仕上げられています。しかし、その本当の凄いところを感じるためにはこれまでのマーベル・シネマティック・ユニバース作品をある程度鑑賞しておくことが欠かせないと思うし、本作単体だけでは面白い要素が弱いと危惧しています。

 

集大成にのぞむには、こちらも集大成の知識を身につけることが必要。そんな感想を抱きました。