ほぼ日刊レトロゲームレイダース

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【雑談】バレンタインデーと、チョコレートと、勝者と敗者の話。

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ちょっと前の出来事なのですが…。

 

2018年2月14日。バレンタインデーの日のことでした。

 

時刻は、午前4時頃。 そのとき、私は奇妙な声を聞いた気がして、目が覚めたのです。寝ぼけまなこで部屋を見渡します。廊下につづくドアが少し開いていました。おかしいな、夜はしっかり閉めたはずなのに。声はその先から聞こえているようでした…。

 

 

 

尿意もあったので、私は起きました。そのまま廊下に出てみると、1階のリビングからあいかわらず声がしています。

 

声の正体は、小学2年生になる息子のものでした。リビングにあるカガミ(姿見)の前で何かをくり返しやっています。

 

「チョコレート、ありがとう!うれしいよ!」

(ペコリ)

「チョコレート、ありがとう!うれしいよ!」

(ペコリ)

 

どうやら、バレンタインのチョコレートを持ったときのお礼の練習をしているようでした。午前4時からの朝練です。姿見の前で、「こうかな?」「こうしたほうがいいかな?」と一生懸命。おもしろいので盗撮しました。この動画は、あの子の成人式の日に公開することにしましょう。

 

必死の練習。しかし、彼の努力が報われることはないと思いました。なぜなら、彼のクラスは現在インフルエンザが大流行であり、女子はほぼ全滅らしいからです。そのことを私に伝えたのは息子自身なのですが、その事態がおよぼす影響まで彼は想像できていない模様。

 

おそらく彼は、今日、とても寒い気持ちを抱えて、下校するに違いありません。しかし、それでいいのです。そのような挫折のくり返しこそが青春であり、人をいつくしむ心を育てるのですから。悲しい心を知っている人間は人に優しくなれるのです。そして、私は二度寝することにしました。ふあ~あ。

 

 

2018年2月。チョコレートで有名なゴディバが、このような広告を出して話題になりました。

 

日本は義理チョコをやめよう。

 

バレンタインデーは嫌いだ、という女性がいます。その日が休日だと、内心ホッとするという女性がいます。なぜなら、義理チョコを誰にあげるかを考えたり、準備をしたりするのがあまりにもタイヘンだから、というのです。

 

気を使う。お金も使う。でも自分からはやめづらい。それが毎年もどかしい、というのです。それはこの国の女性たちをずっと見てきた私たちゴディバも、肌で感じてきたこと。もちろん本命はあっていいけど、義理チョコはなくてもいい。いや、この時代、ないほうがいい。そう思うに至ったのです。そもそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。社内の人間関係を調整する日ではない。

 

だから男性のみなさんから、とりわけそれぞれの会社のトップから、彼女たちにまずひと言、言ってあげてください。「義理チョコ、ムリしないで」と。気持ちを伝える歓びを、もっと多くの人に楽しんでほしいから。そしてバレンタインデーを、もっと好きになってほしいから。愛してる。好きです。本当にありがとう。そんな儀礼ではない、心からの感情だけを、これからも大切にしたい私たちです。

 

 

ネットではいろいろ賛否両論あったようですが、個人的には「時代」というものをよく掴んだ広告コピーであり、チョコレートメーカーの代表であるゴディバだからこそ言える広告だと思いました。

 

「バレンタインに義理チョコを渡す」という風習は、微笑ましいプラスアルファのイベントとして始まったものですが、いつの間にか社内での恒例行事になり、オフィスで働く女性社員にとってはストレスの素に。結果、バレンタインデーや義理チョコにもよく使われるゴディバの存在自体が、ストレス発祥の素、嫌悪されるものになりつつあるタイミングで、ブランドイメージ回復を狙った広告だったわけです。

 

どこかが最初に言えば世間からの好印象を総まとめでかっさらうことができる。それをゴディバがやったのは、ブランディング戦略としては大正解。まさに、今年のバレンタインにおける「勝者」となった瞬間だったといえるでしょう。

 

ゴディバは弊社クライアントであり、私はゴディバ担当でもあるわけで、当然、ゴディバのメッセージには賛同しましたし、弊社で今年義理チョコ制度が廃止になったことにまったくの異論はございませんでした。

 

が、

 

家に帰ると、小学2年生の息子が「勝者の顔」で私を待っていました。なんでも学校でインフルエンザから復帰した女子3人からチョコを貰ったというのです。

 

「お父さんは?」

「お父さんは今年ゼロだよ」

「僕は、3つ」

「・・・・・」

「お父さんはいくつ?」

「今年はゼロだよ」 

「(ニンマリ)」

 

なんでしょう、この気持ち。高校以来感じていなかった、謎の劣等感が私の心を覆い尽くしていきました。高校時代にスポーツができるというだけで、何人もの女子からチョコをもらっていた陸上部のハゲのまんざらでもない表情での「オレ、あんまり、チョコ好きじゃないんだよな」というセリフと一挙手一投足を思い出しました。

 

ちなみに、奥さまからは「私、ゴディバに賛成」というメッセージとともにチョコはなしとのこと。義理も本命もないのかよっ。

 

そんなわけで、私にとって、今年はとてもビタースイートなバレンタインデーでしたという話ですぞい。